急坂もスイスイ進む力強さ! 電気で走る小型トラック「eキャンター」試乗で感じたEV活躍の場
キャンターの歴史は60年! 「eキャンター」がさらに道を切り開く
電気自動車で真っ先に思い浮かぶのは、日産の「リーフ」や「サクラ」などの乗用車ですが、昨今では商用車のラインナップも拡充しています。そこで今回は、三菱ふそうトラック・バスの電気小型トラック「eキャンター」に試乗した感想をお伝えします。 【画像】電気で走る小型トラック「eキャンター」の内外装を詳しく見る!(54枚)
「キャンター」は伝統ある小型トラックで、初代モデルは1963年に発売されました。現行型は2010年に登場した8代目で、2017年には、電気自動車になる最初のeキャンターが発売されました。今回試乗する現行eキャンターは、2022年9月に発表され、2023年3月から販売されている新世代モデルです。 新世代eキャンターは、バッテリーを1個から最大3個まで搭載できるモジュール方式を採用しています。駆動用リチウムイオンバッテリーを荷台の下に設置するため、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)の長さに応じて、搭載可能なバッテリーの量も変わります。 具体的には、ホイールベースが2500~2800mmのSサイズでは、1個のバッテリー(総電力量は41kWh)を搭載します。1回の充電で走行できる距離は、ワイドキャブで99km(60km/hの定速走行テスト)です。 ホイールベースが3400~3850mmのMサイズに2個のバッテリー(83kWh)を搭載すると、ワイドキャブで213kmを走れます。ホイールベースが4750mmに達するLサイズには、3個のバッテリー(124kWh)を搭載すると、ワイドキャブで324kmを走行できます。
配達業務にピッタリのドライバン仕様 乗ってすぐ「儀式」をする必要が?
今回の試乗は、ホイールベースが最も短い2500mmのドライバンで行いました。全長は4820mm、全幅は1920mmの標準キャブです。 バッテリーは1個ですが、標準キャブですから、60km/hの定速走行テストで116kmを走れます。
着座位置の高い運転席に座って試乗を開始しますが、この時にはちょっとした「儀式」が必要です。 スマートキーを携帯して乗車したら、ブレーキペダルを踏みながら、イグニッションスイッチをスタートの位置まで回して保持します(すぐには戻しません)。 しばらくすると、点滅していた緑色のインジケーターが点灯状態に変わり、電気自動車のシステムが起動したことを示します。 この後は、ほかのAT車と同様、セレクトレバーをD(ドライブ)やR(リバース/後退)に入れれば車両を動かすことが可能になります。