横浜・山下ふ頭再開発、緑化空間と経済の拠点に 検討委が答申案を公表
山下ふ頭(横浜市中区)の再開発検討委員会は9日、市に提出する答申案を公表した。「緑化空間を中心としたまちづくり」や「横浜経済の核となる拠点の形成」といった方向性を明示し、交通アクセスや防災機能を強化する必要性に言及。市は年内にも答申を受け取り、事業計画案の策定に着手する考えだ。 【写真で見る】答申案について意見を述べ合う山下ふ頭再開発検討委の委員たち=横浜市中区 最終となる第6回会合で示した答申案は、再開発の「目指すべき姿」と実現に向けた「基盤・空間の考え方」という2テーマで構成。それぞれ三つの方向性を掲げ、必要な機能などを明記した。 「目指すべき姿」の方向性は、▽緑と海辺空間の創造▽持続可能なまちの実現▽新たな活力を創出する都市モデル構築。導入機能として、市民が憩えるスペースの形成をはじめ、市民がまちづくりに参画できる仕組みづくりの必要性を示し、訪日外国人客を引きつけるための価値向上などに取り組むべきとした。 「基盤・空間の考え方」では、来街者増を見据えた交通アクセスの強化や災害対応力の向上、「横浜らしさ」を感じられる景観づくりを要望。市民の声を事業に反映させるため、「多様な意見を問うプロセスを経ること」も求めた。 会合後、報道陣の取材に応じた市港湾局の担当者は、年内にも答申を受け取り、再開発の具体像を描く「事業計画」案をまとめると説明。26年度ごろに事業者を決定し、30年ごろの開業を目指すスケジュールに変更はないと述べた。
神奈川新聞社