【台風情報】3連休前半は九州から関東甲信地方で大雨警戒…台風が台湾上陸で衰弱する理由とは?台風21号が秋雨前線とつながり低気圧化
空に浮かぶ雲が3連休の雨を予測
今朝は空に秋の雲を見つけた。刷毛で描いたような雲が巻雲(けんうん)である。 秋に見られる事が多く、この雲が現れると天気は下り坂になる。 【画像】3連休前半は九州から関東甲信地方にかけ大雨警戒…台風21号の予想進路図はこちら ただ、すぐに雨が降ることは無く、巻雲が現れると、そのあと徐々に雲が増えて、雨が降るのはおおむね翌日だ。 このあと3連休にかけて降る大雨をこの巻雲が我々に知らせているのである。そして、その原因は31日現在、台湾付近にある台風21号だ。
台湾3000m超の山々が台風に及ぼす影響
さて、今回の台風は九州に接近する前に温帯低気圧に変わる予想。 これは、台風が台湾に上陸して一気に衰弱することが大きい。台湾にある3000m級の山々が影響している。 台湾は富士山よりも高い山が9あり、3000メートル以上の山も250以上ある。 台風がこれらの山々を越える際に、強制的に気流の上昇が起こり、雨雲から一気に雨を降らせてしまい雨雲が枯渇、さらに台風が山を下る際には、下降気流が雨雲を消す効果を発揮して、これらの効果が台風を急速に弱めてしまうのだ。
台湾横断の類似台風事例は?
過去10年間に台湾を今回と同じように、東から横断した台風は5例あって、うち3例は約10時間前後で、25ヘクトパスカルから45ヘクトパスカルも弱まってしまった。 今回も台湾に上陸する前と台湾通過後では40ヘクトパスカルも弱まる予想だ。 ただ、台風では無くなっても油断は出来ない。
3連休は大雨に警戒
台風21号は2日(土)に東シナ海を九州に向かって進むが、秋雨前線とつながって低気圧に変わる見込みだ。 低気圧は前線を伴って東日本へと進み、台風が持ち込む熱帯気団と北からの寒気により、大気の状態が不安定になる。 低気圧や前線付近では、雨雲が次々に発達する状況だ。 このため、3連休の前半は九州から関東甲信地方にかけて大雨に警戒しなければならない。 今後、予想される雨量は次の通り。 九州北部(11月1日午後6時までの24時間)100ミリ、(2日午後6時までの24時間)200ミリ 中国、近畿、東海、関東甲信(2日午後6時までの24時間)120ミリ 北陸(2日午後6時までの24時間)80ミリ 東日本ではその後さらに雨量が多くなるおそれも。 3連休は、土砂災害や浸水害、河川氾濫に警戒が必要だ。 三井良浩(フジテレビ気象センター・気象予報士)
三井良浩