なんでミシン?/執筆:コカドケンタロウ(ロッチ)
「趣味でミシンやってます」というと 「え、ミシン?」「なんでミシン?」「ミシンってあのミシン?」「何のために?」と、誰もが?マークだらけになるようなので、今回は僕がミシンを始めるに至った経緯を書かせてもらいたいと思います。 コカドケンタロウ(ロッチ)さんの1ヶ月限定寄稿コラム『TOWN TALK』を読む。
遡ること7年前、39歳のコカドは新潟でアイドルグループNGK48と毎週ロケ番組をやらせてもらってました。 番組内で時折NGT48のファン、所謂オタクの方々と触れ合う機会もあり、その周りの目を気にする事なく注ぎ込まれる推しへの愛情、パワーに触れていると、「これだけ1つの事に夢中になれるなんて、それだけで人生豊かやなぁ」と思うようになり、 「よし、自分も40歳になると同時に、夢中になれる趣味を探そう!」と決意しました。 まず、やるからには中途半端にならないように、自分自身のルールとして、「これをやると決めたら何があってもとりあえず1年間は続けてみる」とし、今まで気になってたけどやってなかったこと、夢中になれる可能性があることを考えた結果、40歳を迎える初めの年はゴルフにチャレンジ。 やってみると凄く楽しいし、人間関係も広がるし、秋にはゴルフ番組のレギュラーも決まるなど素晴らしい結果が出ると同時に「でも、あのNGT48オタクの夢中レベルまではいってないかもなぁ」という思いもあり、その次の年からも引き続き夢中を求め、ギター、料理などにチャレンジ。 どれも楽しいし続けて行こうとは思うけど、やっぱり僕が求めてる「夢中」には届いてない気がしました。 そこで一度何故「夢中」になれてないのか自問自答した結果、どこかで「仕事に繋がればいいなー」 とか、「これをやることで他の人はどう思ってるのだろう?」という、邪念があることに気付きました。 夢中になるにはお金とか仕事、人の目は極力考えず、自分は何をしてる時に幸せを感じてるのか。 今までどんな瞬間が楽しかったのか。 『自分の幸福感にアンテナをはる。』それが大切なのかも。と思いました。 すると 19歳の時に一度お笑い芸人を離れ古著屋で働いてた頃、毎日本当に楽しかったのを思い出し、確かに今でも洋服の事を考えてる時間ワクワクしてるなと思い、 じゃあ自分で自分の洋服を作るのは? あ、ミシンやってみようかな、、、 という流れで、43 歳の頃ミシンを始め、追い求めていた「夢中」を手に入れる事ができました。 これがコカドがミシンを始めた経緯、完全版です。
プロフィール
コカドケンタロウ(ロッチ) こかど・けんたろう|1978年、大阪府出身。中岡創一とお笑いコンビ「ロッチ」を結成。ツッコミ、ネタ作り担当。『キングオブコント』ファイナリストになるほか、ネタ番組にも数多く出演。NHK『土スタ』やNHKラジオ『さくらひなたロッチの伸びしろラジオ』にてMCを務める。毎週月曜22:00よりYouTube『ロッチナイト』を生配信中。趣味はミシンでのハンドメイド、古着、サーフィン。これまでのミシンでの制作物や、その思いを綴った『コカドとミシン』がワニブックスより11月27日に発売予定。 text: Kentaro Kokado, edit: Ryoma Uchida
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