日銀・植田総裁が決断する「0.25%」の追加利上げが庶民を襲う…!住宅ローン「変動金利クライシス」がやってくる!
はやく「利上げ」したい植田総裁
筆者が次期政策決定会合で利上げが行われると考える2つ目の理由は、市場の動向だ。 7月31日の0.25%の利上げ実施にもかかわらず、長期金利(10年物国債金利)は大きく低下し、一時0.80%を割り込んだ。その後は、ジリジリと上昇しているものの、“利上げ効果はなかったに等しい”。 一方で、為替は一時140円割れまで円高が進んだが、その後は155円台まで円安進行が進み、再び、輸入物価高の兆候が見え始めている。 植田総裁としては、ここで円安抑制のために利上げを行い、物価高の歯止めとしたい。そう考えても不思議ではないだろう。衆議院で過半数割れとなり、政策運営が難しくなった石破政権にとっても、日銀が物価抑制のために利上げを行うことは好意的に受け入れられると見ているのだろう。 そもそも、植田総裁は利上げの条件について、「日銀の経済・物価見通しがオントラック(想定通り)であること」をあげている。 「時間的余裕はある」と発言した9月の決定会合ですら、「経済・物価見通しはオントラック」だと言っていた。つまり、植田総裁としては、なるべく早く利上げをしたいのだ。にもかかわらず、「時間的余裕はある」と発言したこと自体が矛盾していたのである。
植田総裁は、覚悟を決めた…!
米国では、FRB(連邦準備制度理事会)が11月に0.25%の利下げを実施した。2会合連続での利下げだ。それでも、円安・ドル高傾向に変化は見られない。 11月には決定会合がなかった日銀が、12月の決定会合で利上げを実施しなければ、円安は一段と進むことになるだろう。 だが、日銀の利上げは国民生活を苦しめることにもなる。住宅金融支援機構の24年4月の調査結果によると、今や住宅ローンの変動金利型の利用者は、住宅ローン利用者の76.9%にのぼっている。 つまり、住宅ローン利用者の約8割の人が今後、金利のローン引き上げを見舞われ、返済額が増加することになる可能性がある。これは、個人消費を冷え込ませる一因にもなるだろう。 すでに、筆者の周りには低金利の00年代に変動金利で住宅ローンを組んだ友人から、「7月の追加利上げの影響で、来年1月に金利の見直しが行われ、毎月の支払いが3000円ほどアップする」という悲鳴が聞こえている。 それでも、金融正常化はやれるときにやらねばならぬと、植田総裁はそう覚悟しているだろう。 物価高も厳しい、住宅ローンの金利上昇も死活問題。日本にとって、これまでの量的緩和のツケは、こうして庶民に付け回されるのだろう。 さらに連載記事『その時、現場は凍り付いた…!植田日銀総裁に「経済学の大天才」が噛みついた!その「空気よまない直言」のヤバすぎる中身』では、これまでの金融緩和の影響を受けて日銀や識者の間でどのような議論が行われているのかを紹介している。ぜひ、参考としてほしい。
鷲尾 香一(ジャーナリスト)
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