20代の若者3人「もうかる農業」挑戦! 長崎・雲仙に移住、放棄地を開墾
「もうかる農業に挑戦したい」-。3人の20代男性が県外から長崎県雲仙市小浜町に移住し、耕作放棄地を開墾して農業経営をしようと準備している。同町内の畑付き中古住宅を購入。今月末までクラウドファンディング(CF)による支援を呼びかけている。 3人は▽静岡県掛川市の上村威(つよし)さん(27)▽熊本県天草市の坂本将彦さん(26)▽千葉県柏市の松村隆成さん(26)。呼びかけた上村さんが社長、2人が役員となって来月、同町に移住し農業法人「扇会」を設立する。5年後、年5千万円の売り上げが目標だ。 上村さんは京都産業大付属高3年時にオーストラリアでブロッコリーを収穫するアルバイトを体験した。時給はなんと2800円。重労働も多かったが「農業はもうかる」と思った。 長崎大多文化社会学部へ進学。坂本さんと大学で出会い、ルームシェアした。1次産業と地域開発を学び、入社した日本農業(東京)の関連会社で、松村さんと掛川市の耕作放棄地のサツマイモ栽培に携わった。高齢者が引退後、後継者がいない畑がどんどん荒れていく様子を見て、深刻な人手不足を痛感した。 「遊休地を活用し、地域特有の土壌と気候を生かした持続可能な農業をしたい。大規模化、効率化で高収入のビジネスになれば、後継ぎが増えて荒れ地も減る」と考え、大学時代に親しんだ長崎県内で見つけたのが雲仙市だった。「雲仙岳の火山灰を含んだミネラル豊富な土壌が広がっている。温暖な気候で、他県とは異なる時期に農作物を育てられるのでは」 目を付けたのはカボチャ。2~6月に出荷できる国産品が少なく、ニュージーランド産やメキシコ産が輸入されているという。この時期に、付加価値の高い国産カボチャを輸入品より高値で出荷する計画だ。 CFの目標額は120万円。24日現在で87万円が集まった。購入した約1ヘクタールの畑は半分以上が耕作放棄地で草木が生い茂り、開墾や土地の整備も必要。農業法人の設立費用やトラクター、草刈り機などの購入に充てたいと考えている。 3人は「法人名の扇のように、長崎県を末広がりに栄えるようにしたい」と意気込んでいる。