年末年始にぜひ観てほしい名作映画『グラディエーター』のリドリー・スコットは『エイリアン』も『ブレードランナー』も作ってる
1989年に漫画家デビュー、その後、膠原病と闘いながら、作家・歌手・画家としても活動しているさかもと未明さんは、子どもの頃から大の映画好き。古今東西のさまざまな作品について、愛をこめて語りつくします!(写真・イラスト◎筆者) 【1コマ漫画】大好きなグラディエーターを描いてみた * * * * * * * ◆連載開始にあたり 私は映画が大好き! といっても学生時代は家庭環境が厳しく、映画館に行ったりはできませんでした。でも小さい時、父が横浜の映画館でマリリン・モンローの映画や『キング・コング』を見せてくれたのはすごく嬉しかったです。あとは昭和50年頃各テレビ局が放映していた『洋画劇場』を見た程度。 当時はテレビか映画館でしか、映画が見られない時代でしたが、淀川長治、水野春郎、小森和子さんのような優れた映画評論家のおかげで、厳選された名作に出会えました。淀川さんや水野さんが「よい」というものであれば、ラブシーンなどがあっても、親は見せてくれたんです。でも、家族で見ていてラブシーンになった時のきまずさったら。(笑) なので「早く大人になって一人暮らしして自由に映画が見たい!(特にエッチなやつ!)と、真剣に思いました。(笑) でも一人暮らしを始めると生活に追われ、やはり映画館には行けなくて。一番映画を見たのはマンガ家になってから! 当時TSUTAYAがレンタルを始めて色んな映画を見られるようになり、漫画家の貧しくて外出する時間もない生活の合間にも、夢中で映画を見ることができました。でも東京郊外、小田急線沿線ではメジャー作品しかなくて。『キネマ旬報』で名作として紹介されていた、ヨーロッパ映画なんかは、ほとんどありません。 なので、漫画家デビューから2年後に離婚、中央線沿線に移り住み、吉祥寺のTSUTAYAに行ったときの嬉しかったこと!! そこにはヌーヴェルヴァーグの名作、ヨーロッパやアメリカの古典作品等、憧れの映画が所狭しと並んでいました。帰りにはパルコの地下の書店に行き、芳賀書店から出ていた映画俳優写真集や、『スクリーン』や『キネマ旬報』などを立ち読み。「次は何を借りようか」と胸をわくわくさせたものです!
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