マイアミでデング熱が急増、中南米への渡航者が現地でウイルス感染
(ブルームバーグ): 米フロリダ州マイアミは、中南米への玄関口としての役割を果たしている。ただその役割により、ある病気の米国の震源地にもなっている。蚊が媒介するデング熱だ。
フロリダにおけるデング熱の感染例は昨年の同じ時期と比べて2倍余りに増加。無防備な渡航者がカリブ海地域や中南米で感染し、ウイルスを持ち帰るケースが増えている。フロリダでは夏に降雨が多くなることから感染リスクが増大する恐れがあり、当局は現在、現地の蚊がウイルスに感染しないよう取り組みを進めている。
フロリダの保健当局は今年に入り164件のデング熱感染を報告したが、6件を除く全てが国外渡航に関連している。米疾病対策センター(CDC)のデータは、マイアミ・デイド郡が米国におけるデング熱感染のホットスポットとなっていることを示している。
異例なほど高温多湿な気候を背景に、デング熱ウイルスの感染は米州全体で爆発的に増加している。世界保健機関(WHO)の米国地域事務局である汎米保健機構(PAHO)は、中南米およびカリブ海地域で今年に入り感染例760万件、死者3274人を記録している。これは2022年と23年に報告された件数の合計を上回る。
ブラジルだけでも、デング熱の感染例は400万件を超え、2000人近くが死亡。20日にはプエルトリコが、デング熱に関連し初の死者が出たことを発表した。
デング熱は特定の蚊が媒介する病気で、症状は頭痛や体の痛み、発熱、発疹など。症状が重くなると死亡する場合もある。
原題:Miami Faces Surge in Dengue Fever That’s Roiling Latin America(抜粋)
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Jim Wyss