「話題の商品」つい買ってしまう人が損する盲点 「知ってるほう」選んでしまう親近性の魔術とは
トランプとバイデンを「候補者A」と「候補者B」とし、ロシアとアメリカを「Ⅹ国」と「Y国」としたら、どちらが正しくてどちらが間違っているか、どちらの政策が賢明でどちらの政策が誤った方向へ導くか、どちらが明らかに腐敗していて、どちらが高潔であるかなど、もっときちんと評価できるだろう。いずれにせよ、対象の名前や身元を隠して異化することで、新しい観点でそれを見られる。 人気や名声や社会の認知度は、しかるべきタイミングにしかるべき場所にいたのが主な要因である。親しみを覚えるものは、おそらく見かけほど本質的によいもの、貴重なもの、見習う価値のあるものではない。裏を返せば、ランダムな要因がただ災いして、多くの価値あるものが「今は人気がない」ということもある。じっくり吟味すれば、宝石の原石が現れるかもしれない。
ネガティブな評価がほとんどなく、ポジティブな評価が山のようにある場合、ポジティブな評価をあまりまともに受け取らないほうがいいだろう。
ダニエル・シモンズ :心理学者/クリストファー・チャブリス :心理学者