中国海警局の船舶が「意図的な衝突」、フィリピン側が映像公開 中国側は制御措置だったと反論
フィリピン当局は19日、中国海警局の船舶が南シナ海でフィリピン海軍のゴムボートに「意図的に衝突」したとして、映像を公開した。 フィリピン軍によると19日、補給任務にあたっていた海軍兵士1人が重傷を負ったという。同軍は中国側が船を「意図的に高速で衝突させた」と非難した。 フィリピン外務省は19日、この行為を「違法かつ攻撃的」だと指摘したうえで、両国が係争中の海域において、乗組員や船舶を危険にさらす行為を慎むよう中国側に求めた。 またフィリピン軍当局者によると、中国海警局員はナイフや銛を所持しており、フィリピン側の銃器を奪ったという。さらにセカンド・トーマス礁に駐留する部隊への補給を行っていたフィリピン軍の船に「故意に穴をあけた」と主張した。 一方、中国側はこれに反論。フィリピン船が故意に危険な方法で中国船に接近したため、中国船は制御措置を取らざるを得なくなったとしている。 中国外務省報道官は、今回の措置は違法漁業の阻止を目的としたものであり、フィリピンの乗組員に対して直接的な措置は取られていないと述べた。 中国はセカンド・トーマス礁を含む南シナ海のほぼ全域の領有権を主張している。2016年に国際司法は、こうした主張を認めない判断を示したが、中国はフィリピンの艦船が不法侵入をしていると繰り返し主張している。