来年不惑を迎える稲川翔 G1優勝から10年、“自己変革”へ「自転車を言い訳にすることはやめた」/佐世保競輪G3
佐世保競輪の「開設74周年記念 九十九島賞争奪戦(G3)」が19日に初日を開催。一次予選10Rを走った稲川翔(39歳・大阪=90期)に話を聞いた。 来年2月に40歳になる稲川翔。G1優勝から10年が経過した。近年は腰痛にも悩まされ、2020年から毎年続いていたG1決勝進出も今年、ついに途切れてしまった。おまけに今年は4度の失格。なかなか流れに乗りきれなかった。前検日に競輪祭の手応えを聞かれた際は「脚力不足」と、シンプルに表現。「来年に向けて、基礎からやってる。全ての底上げをしないと」と危機感を抱いていた。 初日10Rは自身と対照的に、大躍進の1年となった窓場千加頼マーク。稲川は後方から捲った山根慶太を好ブロックし、3番手捲りに出た窓場をゴール前でとらえた。 「千加頼を抜ける選手はなかなか少ないとみている。必死に抜きに行った。いっぱい、いっぱいではなかったし、余裕がある中で力を出せている。まだやりたいことには程遠いけど、来年に向けて下地はできてるかな」 最後に、自転車を調整する可能性を問われると「触らない。自転車を言い訳にすることはやめた」の言葉で締めた。 「競輪祭が終わって(自転車を言い訳にすることを)やめた。まずは体の方。体をつくってから。自転車のことはそれからです」 古性優作、脇本雄太の背中が遠くなってしまっている。もっとも悔しい思いをしているのは稲川自身に他ならない。並々ならぬ思いで自身を変革中だ。その前に、今年最後のG3でも存在感を放ち続ける。(netkeirin特派員)