中国電力の島根原発など、各地の原子力発電所で再稼働に向けた機運が高まっている（写真：テラス／PIXTA）

政府は2月10日に「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定しました。「GX」とはグリーントランスフォーメーションの略称で、化石燃料をできるだけ使わずクリーンなエネルギーを活用していくための変革やその実現に向けた活動を指します。 すでに欧米をはじめとした各国は、脱炭素への取り組みを加速させています。EU（欧州連合）では、10 年間に官民協調で140兆円程度の投資実現を目標とした支援策を2020年に定めています。アメリカでも、超党派によるインフラ投資雇用法の成立に加え、2022年8月には10年間で約50兆円程度の対策を実施すると決定しました。 日本でも、今後10年間で150兆円を超えるGX投資を官民協調で実現していくためには、国として長期にわたる支援策を講じ、民間事業者が安心して脱炭素に取り組める環境を整備する必要があります。そのため、「GX経済移行債（仮称）」を創設・活用することで、大胆な先行投資への支援を実行するとしています。