陸上の日本選手権女子１５００メートルの田中希実（のぞみ）は２位を５０メートル以上突き放す独走で圧巻の５連覇を果たした。参加標準記録（４分２秒５０）を切り、大会前に得ていた５０００メートルに続く２種目目の五輪代表入り。「２種目とも期限内に標準を切って堂々と（パリに）乗り込める」と充実した表情を見せた。 【別カット】ぶっちぎり５連覇！女子１５００メートル決勝で優勝した田中希実 残り１周、田中はペースメーカーの前に出た。「ペースメーカーの前に出るぐらいの気概で行かないといけない。でも怖い」。実は１５００メートルは東京五輪で３分５９秒１９をマークして以来、４分切りに挑戦することにも抵抗があったという。それでも恐怖を振り払い、力強い走りでフィニッシュまで押し切ると、自己記録に近づく４分切りも視野に入る好記録がついてきた。 今大会はまだ、５０００メートルと８００メートルが残っている。「３種目走るからこそ得られる感触を楽しみながら残り２日を戦いたい」。少しだけ頰を緩ませた。（石原颯）
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