ベテラン看護師が語る…意識のない夫を「諦めきれなかった」妻がすがった延命治療と、最愛の人を「後悔なしで見送る」ために「必要なモノ」
太く短く生きるために必要なこと
諦めきれず蘇生を繰り返し、藁にもすがる思いだったとはいえ、効果不明の民間療法にも手を出してしまったこのケースは、「受容」にたどり着いていなかったからこそ起きた、晩年のゴタゴタだともいえる。 「受容にたどりつくには、日頃から死を向き合うことが大切で、夫婦や家族の間で、互いの死生観をしっかり伝え合い、どう死にたいのか、死ぬまでどう生きたいのかを、しっかり共有する必要がある」と武藤氏はいう。 そして、それができている人、できている家族ほど、こうした失敗は起きにくく、「残りの人生は太く短くなり、うまい死に方をしている」そうだ。 (取材・文 週刊現代記者 後藤宰人) 武藤直子さんの連載記事「50代「ひきこもり」息子と暮らす78歳母が、末期がんで寝たきりに…「ゴミ屋敷」で迎えた「悲痛な最期」」もあわせてどうぞ
武藤 直子
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