「ネットは野獣の王国、投げ銭で稼ぐため枕営業も」 韓国女性インフルエンサーが暴露
韓国ネット業界の闇を女性インフルエンサーが暴露
今月23日、ユーチューブやネットのライブ配信で活動していた韓国の元暴力団出身インフルエンサーが、麻薬の投与や販売容疑で逮捕された。26万人の登録者をもつ人気インフルエンサーだったが、2022年10月から昨年8月まで麻薬を投薬、数千万ウォン分の麻薬類を販売した容疑で韓国ソウル江南警察署が拘束送検した。これに関してある人気女性インフルエンサーが「韓国のネットは野獣の王国」とネット業界の闇を暴露して話題を集めている。韓国日報、ノーカットニュース、韓国経済新聞などの韓国メディアが報じた。 【動画】アフリカTV批判をしたカン・ドンラン ユーチューブやインスタグラム、そして韓国のニコニコ動画ともいえる動画サービス、アフリカTVで活動する女性インフルエンサー、カン・ドンランが韓国のネット業界について糾弾する内容を投稿した。彼女は最近、自身のユーチューブチャンネルに「アフリカTV(司会者の)麻薬事件がまた起きたが、どうせ販売した者だけが刑務所に入り、麻薬を使った者は初犯ということでほとんど罰金か執行猶予程度で釈放される。麻薬関連の犯罪者に対する処罰があまりにも弱い」という書き出しの長文のメッセージをアップした。 またカン・ドンランは、自身もインフルエンサーとして活動するアフリカTVのコンテンツ司会者管理システムの問題点を指摘した。 「(アフリカTVは)イメージアップを図りたいとしながら、売春斡旋や性売買、麻薬のような犯罪に対して非常に寛大な点を見れば、本当に矛盾の極致だ。(犯罪行為が明らかになって)実際に(懲役)刑を受けたり議論の種になっても問題なく復帰し、毎月数千万ウォン、数億ウォンの収入を得てうまく生きている」と指摘した。 <「星風船」と「エクセル放送」> さらにカム·ドンランは、アフリカTVのコンテンツ形式もインフルエンサーの誤った行動を煽っていると指摘した。なかでも彼女が問題視したのが「エクセル放送」だ。 エクセル放送はアフリカTVの出演者が視聴者から受け取った投げ銭の金額をエクセルの表計算シートのようなランキングにして公開するライブ配信番組を指す。主に男性インフルエンサーが司会進行する放送に数人の女性インフルエンサーがゲスト出演し、「星風船」と呼ばれる視聴者からの投げ銭があると女性たちがダンスを踊るような形で進行する。 「星風船」はエクセル放送に限らずアフリカTVで広く行われる投げ銭のシステムで、1個111ウォン(税込)で視聴者が購入する。視聴者は「星風船」を1日最大1万個まで購入できる。インフルエンサーは1個当たり60~70ウォンを得て、残りをアフリカTV側が収入にする。ただし人気インフルエンサーの場合、「ベスト·パートナー」という名前で手数料20%の特典を適用されることがあるという。 当然、多くの「星風船」を獲得するため女性たちは刺激的な衣裳を着たり、「星風船」を多く獲得している者が下位の者に対してパワハラをするなどの行動が行われる。さらに、ライブ配信当日に割り当てられた「星風船」の目標額を満たせなかったり、最下位順位で終了した女性インフルエンサーは、自腹で未達成分に相当する罰金を支払ったり、所属している事務所から解雇されることもあり、参加する女性たちは自分の目標額をクリアしようとさらに刺激的な放送をするよう誘導される仕組みだ。 こうした状況に対して、カン・ドンランは「エクセル放送が主流になって個人での配信が難しくなってしまい、女性インフルエンサーたちはお金を稼ぐために富める者たちの群れに寄生しなければならない。その過程で麻薬や性関係も一緒にしなければならない」と告白した。さらに「そうしなければ彼らの番組に出演できなくなり、投げ銭もなくなる」と付け加えた。 「今ではネット配信でお金を稼ぐためには『エクセル放送』しか選択肢がないが、そのためには相応の対価を提供しなければならない」と書いた彼女は「ここは『ネットの遣り手婆』と性売買がいっぱいの野獣の王国。捕食者がうようよいるジャングルで草食動物として生きていくのは難しい」と話した。