高校の“タブレット端末”1台7万円超は無償?自己負担? 都道府県ごとに分かれる対応 専門家は「隠れ教育費」と問題視
高校の授業で使うタブレット端末。1台7万円以上もかかる費用は自己負担なのか公費負担なのか。自治体で対応が分かれています。
(平野康太郎アナウンサー) 「大阪府立大手前高校に来ています。授業をのぞいてみると、生徒らはタブレット端末を使い問題を解いています」 今や授業で使われるのが日常となっているタブレット端末。大阪府立の高校ではこの日、3年生の情報の授業で活用されていました。生徒がタブレット端末で問題を解き解答を送信すると、すぐさま教師のタブレット端末に問題ごとの正答率が反映され、教師は、その場で正答率の低い問題に的をしぼって解説することができます。 (教師) 「リアルタイムで様子が分かると、(教師側も)いろいろ対策や次にこういうことをやったらいいかなと分かるので授業にすぐいかせるのが良いと思う」 (生徒) 「(Q.使いやすい?)使いやすいです」 「社会科目だったらテストとか、体育だったら振り返りを書くとか、結構色々使っている」 児童生徒1人に1台というタブレット端末の整備は、子供たち一人ひとりに合った教育環境を作ることを目的とした、国の「GIGAスクール構想」で進められているものです。 大阪府立高校では現在、府がリースで借りた端末を生徒に無償で貸し出しているといいます。この費用負担をめぐり各自治体で対応が分かれる状況になっています。
香川県の県立高校では、これまで1人1台のタブレット端末を生徒に貸し出していましたが、来年度の入学生からは自己負担で購入しなければいけなくなりました。その額は端末と付属品などあわせて約7万5000円。 高校では義務教育の小中学校とは違い、教科書などの教材費は自己負担が原則です。財源としていた新型コロナ対策の交付金がなくなったこともあり、来年度からは自己負担に切り替えることになりました。 では今後、大阪府も各家庭で購入しなければならなくなるのでしょうか。 (大阪府教育委員会)「タブレット端末のリース契約は2026年度まで残っているので、それまでは少なくとも保護者負担にはならない。それ以降は他府県の状況を見ながらになるが、検討中」 タブレット端末を活用している子どもたちは? (高校3年生) 「今ぐらいの使用頻度なら、お金出して買うほどじゃないと思う」 「(Q.授業で端末を使う割合は?)3対7」「使っている方が少ない」 「もう少し使う機会があったら、自費でもいいかなと思う」 「(Q.今使っている割合を考えると自費で負担するのは?)ちょっと厳しい」 学校にまつわる保護者負担を「隠れ教育費」として問題提起している専門家は、タブレットの自己負担は教育行政や学校側が想像するよりも大きな負担だと話します。 (千葉工業大学・福嶋尚子准教授) 「(高校)入学の時には3~5月ぐらいで、20~30万円払わなければならないと、現状でもよく言われている」 「そこに一気に7万5000円が加わるということになるので、教育行政や学校側が想像するよりも大きな負担であると思う」