観光庁・観光産業課長が語った2023年の総括と提言、旅行業で多発した不正事案に「全力でケジメ」を
来年は「人手不足」解消が最優先事項
来年度に向けては、需要が回復したことで顕在化した宿泊施設の人手不足を「トッププライオリティのテーマ」と位置付け、来年度予算でも「さらに踏み込んだ政策を進めていく」。 採用活動の支援だけでなく、少ない人でも回るような省力化や省人化の取り組み、設備の補助などもさらに進めるほか、宿泊業で採用が広がっていない特定技能実習生も含めた外国人労働者の採用も支援する方針。庄司氏は「人手不足が宿泊事業のボトルネックにならないようにしていく」と積極的な姿勢を示した。 また、将来の人材確保の面で、「若い人に旅行業や宿泊業に興味を持ってもらうことも大事」との認識を示し、観光教育の重要性にも触れた。 コロナ禍を経て、旅行のスタイルも変化してきた。これまでの旅行会社のビジネスモデルでは立ち行かないところも出てきた。「SIT(Special Interest Tour)的な視点は大事だろう。企画力で勝負してほしい」と庄司氏。さらに、旅行会社の強みとして地域とのネットワークを挙げたうえで、「地域の観光の核になってほしい」と地方創生での役割についても期待感を表した。 庄司氏は、「観光は世の中に大きなプラスの効果をもたらす産業」と強調。行政も業界も世の中の変化にアンテナを立てて、新しい消費者のニーズに応えられることの必要性を説くとともに、消費者が求めるものに応えられる業界にしていくために、業界とのコミュニケーションを積極的に行っていく考えを示した。 聞き手:トラベルボイス編集長 山岡薫 記事・取材:トラベルジャーナリスト 山田友樹
トラベルボイス編集部