「愛情もかけているのに、私が“毒親”…?」 「子育てに全集中」の私が“毒親”だと気づいた瞬間 子が生まれる前は“素晴らしい親”になれると思っていた
父親と母親、どちらに似ているかとかという話題で何時間でも夫婦で話せたり。 子どものちょっとした成長を共有したり。 食事の場所をどこにするか、旅行はどこに行くか、休日はどう過ごすか、何にお金を使うか、といったすべての意思決定の優先順位が子どもになったり、と様々な変化がありました。 自分の認識としては、「子育てに全集中」状態であり、なんとなく上手くいくだろうと高をくくっていました。 赤ちゃんとは会話はもちろん、コミュニケーションもとれないので、何を考えているのかはわかりませんが、抱きしめたり、くすぐったりしつつ、おむつを代えたりお風呂に入れたり、ミルクを飲ませたり離乳食をあげたりなど、子育ての「作業」に追われていました。
とにかく愛情があって、スキンシップをたくさんとって、おむつ、お風呂、ごはんあげなどの作業を楽しみながらやれていれば、自分は素晴らしい父親になれると思っていたのです。 ですがこれは、大きな間違いでした。 私が問題に気づいたのは、1歳半検診の頃です。 1歳半検診のときの担当の方が、「何かおかしい」と気づいてくれました。そして知能検査をすると発達の遅れがあることがわかり、もしかしたら自閉症かもしれない、とお医者さんや育児の専門の方から指摘を受けるようになりました。
そうして検査を続けていくなかで、私たちの子育ての仕方が、どうやら上手ではないらしいことがわかってきました。 焦った私たちは、楽観的な思いこみを捨てて、イチから子育てを学び直しました。 幼児教育や教育経済学、発達心理学、発達障害とその対応など、学べば学ぶほど、自分たちの「育児が下手」だったことがわかりました。 とくに、妻よりも私のほうが、圧倒的に下手でした。 自分は育成が下手という認識がないことが、大きな問題であると気づいたのです。
親の関わり方が変わると、子どもの発達が劇的に変わる 何が問題だったのか、数え上げたらキリがないのですが、結論を言うと、その月齢の発達に最適な遊び・学びをさせてあげられていなかったことが最大の失敗ポイントでした。 専門家からすると、絶対にやるべきではないことをたくさんしていたのです。 子どものために、良かれと思ってやっていたことが、逆効果だったこともたくさんありました。 徹底的に学び直し、子どもへの遊び方・学び方に関する「親の関わり方」を変えたところ、子どもはめきめきと成長を遂げ、4歳の頃には発達の遅れを取り戻し、自閉症の心配はほぼないでしょうと診断されるようになりました。半年ほどの遅れが見られていた発達レベルも、6歳時点での知能テストでIQ147をとるなど、普通よりも高いというところまでになりました。