「えっ、機関車が街中を走ってる!?」SLのような姿がカワイイ!温泉に浸かった後に乗りたい「坊っちゃん列車」とは
由来は夏目漱石!展示されるのはかつて松山を走っていた蒸気機関車のレプリカ
愛媛県松山市にある道後温泉は、古代から温泉地としてさまざまな人に親しまれてきました。 【画像】こりゃ乗ってみたい! 松山の市街を走る「坊っちゃん列車」を写真で見る(20枚) 近代に建築された道後温泉本館は、公衆浴場としては唯一、国の指定重要文化財となっており、文化財の中に入って温泉を楽しむという珍しい体験ができます。 そんな道後温泉の最寄りとなる、伊予鉄道市内電車(路面電車)の道後温泉駅前には、趣のある機関車が展示されています。 これはかつて明治から昭和にかけて松山の街を走っていた蒸気機関車を復元したもので、通称「坊っちゃん列車」と呼ばれています。
名前の由来は、夏目漱石の代表作「坊っちゃん」です。 坊っちゃんは、漱石自身が松山の学校に赴任した経験を元に書かれた小説であり、漱石自身の松山での行動が参考にされています。実際に、作中には漱石が通い詰めた道後温泉本館をモデルにした浴場も登場します。 もちろん伊予鉄道の蒸気機関車も、「マッチ箱のような汽車」として小説内に登場しました。主人公はこの列車に乗って学校に行き、松山での教師生活がスタートします。 このような背景があり、蒸気機関車はいつしか坊っちゃん列車と呼ばれるようになりました。坊っちゃん列車は住民に愛されながら、明治時代中盤の1888年から戦後の1954年まで、実に67年もの間、走っていたといいます。 現在駅前に展示されている坊ちゃん列車は、2001年に復元されたものであり、ばい煙に配慮して、蒸気機関ではなくディーゼルエンジンを採用しています。そのため、機関車といっても正確には「ディーゼル機関車」となります。 坊っちゃん列車はディーゼルエンジンを採用していながらも、煙突から煙に見立てた蒸気を出したり、汽笛を鳴らすことができたりと、本物さながらの迫力があります。 当時の坊っちゃん列車は、梅津寺や伊予鉄道の本社前などに静態保存されています。レプリカでなく、本物に惹かれる場合はそれも合わせて見てみるとよいでしょう。 そんな坊っちゃん列車ですが、レプリカであれば実際に乗ることもできるようです。