DeNA・東克樹、エース復活投!無敵の鷹斬った7回1失点 「脚がちぎれてもいいくらいのつもりで」入魂105球、日本S初登板勝利
(SMBC日本シリーズ2024、ソフトバンク1-4DeNA、第3戦、ソフトバンク2勝1敗、29日、みずほペイペイ)戻ってきたエースがチームを救った!! 左太もも裏の肉離れで離脱していたDeNA・東克樹投手(28)がソフトバンクとの日本シリーズ第3戦に先発。復帰登板で7回1失点、105球の力投。日本シリーズ初登板で、チームに待望の1勝目をもたらした。1998年以来26年ぶりの日本一へ、本拠地で喫した2連敗から左腕が敵地で流れを一変させた。 まるでジェットコースターのような、17日間の復帰ロード。今季13勝のエースが、マウンドに帰ってきた。東が日本シリーズでの〝ぶっつけ〟復帰登板で力投。重圧の中で待望の1勝をもたらし「投げられる喜びを感じながら、脚がちぎれてもいいくらいのつもりでマウンドに上がった。これでも病み上がりなので、まさか七回まで投げられると思っていなかったけど、チームの期待に応えることができてよかった」と胸を張った。 一回に3安打を許し失点。決して万全とはいえない状況で毎回の10安打を浴びながらも、無四球で粘り、二回以降追加点は許さず。「無安打に抑えることは絶対に無理だと思っていたし、走者を出しながらも抑える自分らしい投球ができた」と六回2死一、三塁では甲斐を一邪飛に仕留め、拳を握り雄たけびをあげた。 先発した12日の阪神とのCSファーストステージの走塁で左太もも裏を肉離れ。「ああもう無理だって感じ」と当時を振り返る。13日に出場選手登録を抹消されたが「投げるのは全然問題なかった」と1軍に同行したまま復帰への道を探った。チームが日本シリーズ進出を決めたことで、登板の可能性が再浮上。自身不在でCSを制した際は「うれしさ半分、悔しさ半分」と語った左腕が、大一番で存分に力を発揮した。 東にはこのオフ、やりたいことがある。最多勝と勝率第1位のタイトルのほか、ベストナインやゴールデングラブ賞などを受賞し大忙しだった昨年は果たせなかった「人生初」の富士急ハイランドへ行くこと。「あの心臓が『浮く』感じが怖いけど大好き」。日本一高い富士山を横目に、大好きな絶叫系アトラクションを一日中たんのうする至福のときを思い描く。 球団56年ぶりの開幕8連勝で大きく駆け上がった今季、CSで離脱し一度は底に沈んだ悔しさもエネルギーに変えて、東はさらに高い日本一の山へと上りつめる。(浜浦日向)