THE ALFEEが50年間も喧嘩せずファンに愛される“原点”を探してみた
● アルフィー世代の共通体験 「ウッドストック」の衝撃 アルフィーの3人が1954年度生まれで、上記の4グループはおおむね1940年代の生まれだから、アルフィーが中学生の頃に、「大学生くらいのお兄さん」に当たる世代といえる。 1969年のウッドストック・フェスティバルは、8月15日から2泊3日、ぶっ続けで開催された初めての大規模なロックフェスで、出演者は30組以上、観衆は40万人以上といわれている。はっきり分からないのは、集まりすぎてチケットの管理ができなくなり、結局無料コンサートになったからだ。 ウッドストックは後の音楽界に大きな影響を与え、このフェスで注目を集めて有名になった出演者も多い。 当時の中学生は、そのようなフェスがアメリカで開催され、膨大な観衆が集まり、野宿しながら3日間熱狂した、ということだけラジオの深夜放送などで知った。翌1970年にドキュメンタリー映画が公開されて、初めて驚異的な映像を見ることができたのである。日本公開は7月末、54年前の夏休みだった。 サイモンとガーファンクル、ビージーズは「ウッドストック」に出ていないが、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングは登場し、前半をナッシュ抜きのアコースティックで「組曲:青い眼のジュディ」など、後半はエレキギターのセットでロック調になり、ニール・ヤングが登壇したと記憶する。 映画はフェス全体の2割程度だったろうか。50年以上経た今でも筆者の記憶に残っているのは、ジョーン・バエズの「勝利を我等に」、ザ・フーの「サマータイム・ブルース」、テン・イヤーズ・アフターの「アイム・ゴーイング・ホーム」、ジミ・ヘンドリックスの「星条旗よ永遠なれ(アメリカ国歌)」だ。これはきっと、アルフィー世代の共通体験だろう。
● 70歳を迎えた3人の雄姿を見て 活力をいただこうじゃないか! さて、アルフィー50周年コンサートは、原点の3曲の後、セレモニーを経て「悲しみが消える時」(1989)、「友よ人生を語る前に」(2020)などに続いて有名なヒット曲「星空のディスタンス」(1984)で最高潮に達したという。 アルフィーがリスペクトしてやまないガロ3人のうち2人は故人となってしまったが、大野真澄は健在で演奏も続けている。彼が選曲し、リマスタリング(サウンド調整)したアルバム「ガロ シングルズ&オリジンズ」(ソニーミュージック)が今年5月に発売された。22曲も収録され、アルフィーに継承された3声コーラスや演奏技術を聴くことができる。音もずいぶん良くなった。なお、ライナーノートを大野とアルフィーの高見沢が書いている。 また、11月3日午後7時から、BS-TBSで「THE ALFEE 50周年特番(仮称)」が放送されるそうだ。東京・白金の明治学院大学キャンパスでのインタビューや過去の映像など、興味深い内容が予告されている。大学生のままで70歳を迎えた3人の雄姿を見て、コーラスを聴き、活力をいただこうじゃないか!
坪井賢一