薬に頼っているだけではダメ。過敏性腸症候群(IBS)を改善する日常生活のヒント
腹痛や下痢、便秘が頻繁に起こるので、電車に乗れば各駅で下車、試験や会議は何度も中座。食事後にすぐトイレに行きたくなるので、外食もできない……。そんな人は、「過敏性腸症候群(IBS)」かもしれません。よくわからない怖い病気というイメージを持つ人もいるでしょう。でも、原因をつきとめ、適切に対処すれば治せる病気です。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 そこで、この連載では、話題の新刊『過敏性腸症候群(IBS)くり返す腹痛・下痢・便秘から脱出するには』(水上健 著)のエッセンスを全8回にわたりご紹介。過敏性腸症候群(IBS)の特徴や治療法、日常生活で注意すべきことなどを詳しく解説します。 自身やまわりの人の症状を和らげながら、健康な体を取り戻していくためのヒントを見つけてください。今回は、日常生活で注意すべきことについてお伝えします。 『過敏性腸症候群(IBS)くり返す腹痛・下痢・便秘から脱出するには』 第8回 〈過敏性腸症候群(IBS)で、食事制限や治療薬が効くのは、このタイプ〉より続く
「よいおなかの状態」を保つには、まず生活習慣の見直しを
「体質」がある人の、考え方を含めた生活習慣で起きるのがIBSです。IBSは、薬に頼っているだけではなかなかよくなりません。IBSになったら、まずは生活習慣を見直しましょう。 大腸をはじめ身体機能は、自律神経に支配されています。内臓や血管、心臓などは、自分で動かそうと思わなくても、自律神経が支配しているのです。その自律神経のはたらきを整えるのが、規則正しい生活習慣です。 起床すると大腸が動き出し、朝ごはんを食べると体内下剤の胆汁酸の作用もあって、排便の準備がされます。このとき、しっかり排便しておけば、途中でストレスがあっても下痢が起きるリスクは減ります。「早寝早起き」まではいかなくても、「早起き+朝ごはん」で規則正しい生活習慣になるよう心がけましょう。 【朝の生活習慣】 ●早起き 前提として、しっかり眠ることが大切ですが、朝は早めの決まった時間に起きるようにします。日の光を浴びるようにすると目が覚めて、脳が動き出します。 ●朝ごはん 朝、早めに起きるのは、余裕をもって朝ごはんを食べられるようにするためもあります。起きたらコップ1杯の水を飲むと排便につながるといわれますが、じつはその程度ではあまり影響がありません。やはり、朝ごはんをしっかりとることが必要です。 ●トイレ 朝食後にトイレに行く習慣をつけましょう。朝に便を出しきっておくのは胆汁性下痢型の人にはぜひおこなってほしいことです。ストレス型の人も、すでに排便はすませていると思うことで、一日安心して過ごせます。