川越でリバーサル商品・新商品合同プレス発表 小規模事業者支援の一環で
「リバーサル商品&新商品合同プレス発表会」が11月27日、ラ・ボアラクテ(脇田本町)で開催された。主催は川越商工会議所。(川越経済新聞) 【写真】2024年「リバーサル商品&新商品合同プレス発表会」 同イベントは、同会議所が手がける小規模事業者支援プロジェクトの一環。2022年から「新商品・新サービス合同記者発表会」として開いていたが、3回目となる今回は「リバーサル商品」に着目。「リバーサル」は逆転や反転を意味する英単語。「商品、ターゲット、売り方のいずれかを変えることで、新たな視点でアピールすることができる」とし、同支援プロジェクト内で「改善・改良」の意味で使われる。「リバーサルでカーニバル」を合言葉に、専門家から広報の知識を学んだ6社が、新商品・新サービスのターゲットやコンセプトを練り直し、発表会に臨んだ。 不要になった着物の帯を「帯バッグ」にして販売する「小梅や」(連雀町)は、着物をアロハシャツに「リバーサル」し、「蔵アロハ」として打ち出した。代表の藤代とうこさんが、以前から縁のあった「お片付けサロン」のすずきゆりさんとタッグを組み、すずきさんの片付けサポートの中で顧客から不要な着物を引き取り、アロハとしてリメーク。和文化に興味のある外国人観光客やサステナブルなファッションに関心のある人、オリジナルファッションを好む若者をターゲットにした商品。藤代さんは「優秀なお針子さんの素晴らしい技術を継承していくという意味でも、このプロジェクトはとても意味がある」と話す。商品は川越のセレクトショップ「せをはやみ」(南通町)と小梅やのECサイトで取り扱う。 1型糖尿病患者向けのアパレル店「Re New M」(小ヶ谷)は、以前よりインスリン自己注射の打ちやすいTシャツを販売。上腕部と腹部に注射用のスリットが入っており、着脱せずに注射が打てる。「今までは、この服の良さを伝えきれておらず、売り上げが伸び悩んでいた」という。今回の「リバーサル」で、機能を表現した商品名「インスリン楽(たの)Tシャツ」と新たに名付け、カラーバリエーションを追加。スリットもカラーに合わせて、「なのはなスリット(黄)」「クローバースリット(緑)」「すみれスリット(青)」など花の名前を付けた。他にも、笑足屋(わらじや)、「お片付けサロン」のすずきさんと提携し、着物をリメークしたインスリン注射用のドレスやワンピース、留め袖などのオーダーメード販売も始める。 住宅模型「スタディモデル白模型」を販売する「アトリエ Comolebi」(大塚新町)は、白模型を画像化し、VRでスマホやPCなどでどこからでも確認できる「夢みる白模型」のサービスを発表。2次元図面から3次元の白模型を再現するという従来のサービスに加え、赤木写真事務所(蕨市)の協力を得て完成した白模型をVR画像に編集。それにより、白模型の上下左右どこからでも、スマホなどで確認できる。同サービスは、模型を活用して設計事務所や建築家と十分にコミュニケーションが取れれば、購入後の不満を防ぐことができるのではないかという思いから生まれた。白模型は、設計図面を読めない一般の人でも間取りを容易に理解できるツールだが、VR画像にすることで、手元に模型がなくてもいつでも見返すことができる。 「笑足屋(わらじや)」はヨガインストラクターで整体師の山蔦(やまつた)真弓さんが「たくさんの人の健康の手伝いがしたい」という思いから立ち上げた会社。布草履「サムライサンダル」を販売する。今回は従来品の前半分のサイズの「ミニサムライサンダル・あしなか」を発表。この形状は古くから日本の履物「足中(あしなか)」として親しまれており、上野公園の西郷隆盛の銅像もはいている。足の土踏まず部分を刺激し、青竹踏みと同じマッサージ効果が期待できると言う。 「MAD CHEFs(マッドシェフ)」(東京都港区)は、ポテトチップスにケバブを入れたファストフード「ケバブチップス」(880円)を発売。ポテトチップスの袋の中にケバブチキン、キャベツ、トマト、アーリーレッドを入れ、特製ソースをかける。ポテトチップスは3種類、特製ソースは5種類の味から選べる。川越ではキッチンカーで販売。ハラル商品のため、宗教上食べられないものがあるイスラム圏の観光客も手に取れる。 障害者アート作品を展示する「あいアイ美術館」(的場北1)を運営する「あいアイ」は、富士山麓の希少な井戸の所有者の協力を得て、ボトルに障害者アーティストの絵を使った「アート富士山水」を販売する。障害者アーティストたちが継続して利益を得られる仕組みを考える中で、今回の商品を企画した。同商品は完全受注生産で、障害者アートの他に会社名やメッセージなどを自由に配置でき、オリジナルのデザインで作れる。
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