いまやインバウンド客から見放される「豊洲 千客万来」の厳しい現状…「築地場外のような“市場感”がなく、1階はいつも閑古鳥」との指摘も
「話題の施設だから」
8月某日、来館者に声をかけてみると、 「観光で東京に来たのですが、話題になっていたので立ち寄ってみました。雰囲気は良いなと思いましたけど、特に何も食べずにこのまま赤坂に遊びに行こうと思います」(関西在住の男性) 「話題の施設だから一回は訪れてみようかと思いまして。食事は済ませてきたので、私たちは足湯に入っただけですね」(東京都在住の夫婦) 「ちょうどすぐそこで用があったので立ち寄ってみた感じです。卵焼きやおでんを食べましたので、そろそろ帰ろうかというところです」(神奈川県在住の男女) たしかに、「話題だから」「近くまで来たから」という来館理由が目立つのだった。 あるいは、東京都在住の4人組の女性客は、 「食べ放題のお店目当てで来ました。おいしかったしコスパも良かったと思いますよ」 と言いつつも、それ以外の店舗には一切寄らずに帰るというから、施設全体に魅力を感じているわけではない様が垣間見える。 「日本人が本当に魅力に感じるところでなければ、外国人だってそれは同じこと。まして、海外旅行のうちの貴重な時間、貴重な食事の機会を費やすわけですから、皆さん築地の方に行くのも納得です。ちょっと日本の雰囲気があるところで日本食が食べられるからといって、簡単にインバウンド客が獲得できると思ったら大間違いです。一時期『インバウン丼』などと話題になりましたが、むしろ価格設定に目立った問題はなく、本質的な問題は他にあると感じます」(永田氏)
デイリー新潮編集部
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