「プロみたいにビシッと止まりたい!」 フィニッシュでよろけてしまう人の共通点とは? 「3秒静止」は危険!?
「体→腕→クラブ」の順番で遠心力をボールに伝える
バックスイングからフィニッシュの一連の流れを少しでもカッコよくしたいという人は多いと思います。 【写真解説】アウトサイドインは簡単に直る! 2個のボールを使ったアウトサイドイン修正ドリル しかし、中には「フィニッシュでよろけてしまい、最後にビシッと決まらない」といった悩みを抱えているでしょう。
では、フィニッシュでピタッと止まれるようにするには、どうすればいいのでしょうか。レッスンプロの三浦辰施氏は、以下のように話します。 「フィニッシュでよろけてしまう人は、体が回転しきる前にクラブを振り抜こうとしている可能性があります。体全体でひねる運動を使わずに腕や手先だけでスイングしようとすると、フォロースルーからフィニッシュにかけてかかる遠心力に負けてしまい、最後にピタッと止めることができなくなるのです」 「飛距離を伸ばすには遠心力が重要ですが、それはクラブそのものではなく自身の体から作り出すものであり、力が流れる方向としては『体→腕→クラブ』の順番で伝わっていくのが適切です。しかし、フィニッシュでよろける人の場合は体で主導するスイングになっていないため、クラブに持っていかれてしまっているのではないかと考えられます」 「これを直すには、トップまで上げたら腰を先に回転させ、下半身からダウンスイングに入れば正しい順序で遠心力が伝わり、最後はクラブの方から巻きついてくれるようになります」 「体から遠心力を生み出すイメージがしづらい人は、スローモーションでスイングしてみると分かりやすいと思います」
「フィニッシュを3秒キープ」という理論は危険
また、フィニッシュを「3秒間キープすべき」という理論もありますが、どうして「3秒間」と言われているのでしょうか。 「体から腕、クラブの順番で力が伝わるスイングができていて、なおかつ左足に体重がかかったフィニッシュがちゃんと取れているのかをみる“目安”として、フィニッシュを3秒間維持すべきと言われています」 「しかし、実際はその人がどんなスイングをしているかによって、フィニッシュの態勢をキープする時間は変わってきます」 「プロでも、体重移動させる範囲が大きい人はフィニッシュが短くなり、反対に体の回転に重きを置きたい人はフィニッシュまで丁寧に取ることが多いです。ほかにも、フォロースルーで左腕を早めにたたむことでフィニッシュが短くなる傾向があるため、一概に『3秒取らなければならない』というわけではありません」 「このような教えの大半は、ジャック・ニクラスの理論を参考にしていますが、彼は左目が利き目で体を回転させるタイプでした。しかし、日本人を含め多くの人は右目が利き目なので、全てを受け入れてしまうと間違ったスイングを身に付けてしまう恐れもあります」 「大事なのは『フィニッシュを3秒取ること』ではなく、その人のスイングに見合ったフィニッシュの取り方を覚えることではないかと思います」 フィニッシュを無理に取ろうとしてもスイング自体が変わらないと良い結果は見込めません。正しい順序で遠心力をボールに伝え、力みのないスイングができるようになれば自然とフィニッシュが取れるようになるでしょう。
ピーコックブルー