【40代・50代ご用心!「痔」はお尻の生活習慣病④】痔を改善するには、食生活を見直して便通を整えることから!
裂肛や痔核に悩んでいる人は、お通じの悩みを同時に抱えている人が多いもの。食生活を見直して、すっきり排便することが痔の悩みから解放されることにつながる。女性のための肛門科専門外来のエキスパート、消化器外科医の高橋知子さんにお通じをよくする食生活のアドバイスをいただいた。
「いいうんち」を出すには、白米を1日2膳食べるのがおすすめ
肛門が切れる裂肛や、痔核が大きくなるのを予防・改善するには、便秘や下痢を防いで、便通を整えることがポイント。肛門に負担をかけずに排便するためにも、硬すぎず、水分を程よく含んだバナナ状のうんちが理想だ。 「便は、私たちが摂取した食物から栄養素が吸収されたあとの食物繊維の塊。朝食を抜くなど食事が不規則になると、食物繊維の摂取不足に陥ってしまいます。まずは1日3食きちんと食べることが基本です」(高橋先生) 近年、炭水化物抜きダイエットが注目され、「炭水化物はダイエットの敵」と見られてしまいがち。でも、炭水化物は食物繊維の一種なので、主食となるご飯やパンを抜いた食事を続けていると、便秘しやすくなってしまうのだ。 「便通を整えてくれるおすすめの食品は、実は白米ご飯です。白米に含まれるデンプンには、便を程よい軟らかさに保ち、まとまりのある形状にする働きがあります。便秘と痔の予防・改善に役立つので、患者さんたちにも『できれば、白米ご飯を1日2膳食べてみて』とお伝えしています」
便秘しやすい人、下痢しやすい人の食事の改善ポイントは?
昨今の腸活ブームで、玄米ご飯や雑穀ご飯を取り入れている人も多いだろう。にもかかわらず「便秘ぎみ、または下痢ぎみ」という人がいるのはなぜだろうか? 「玄米や雑穀は不溶性食物繊維が豊富なことで知られています。すっきりと排便できているのなら、体に合っているサインなので問題ありませんが、玄米や雑穀を毎日食べることによって、便が硬くなってしまう人もいるのです。その理由は、人によって『合う・合わない』があり、腸のコンディションにも多様性があるからです。便が硬いと悩んでいる人は、いったん白米だけのご飯に戻すことをおすすめします。硬すぎず、軟らかすぎないうんちになりますよ」 また、「腸活しているのに、便が硬い人」は、もしかしたら玄米・雑穀とともに根菜類、キノコなどの不溶性食物繊維の摂取過多に偏っているのかもしれない。不溶性食物繊維の摂取量を減らして、海藻類や果物などの水溶性食物繊維を含む食品に置き換えてみるといいだろう。 一方、「腸活しているのに下痢しやすい人」は、乳製品、甘いもの、果物、小麦、カフェイン、アルコールなど、糖質の摂取過多に偏らないように気をつけよう。