私がCOP29に行く理由 アニメ「もののけ姫」を見て受けた衝撃 〝環境フェス〟のリアルを知ってほしい
各国の人が集まって地球温暖化対策について話し合う国連の会議、COP29(国連気候変動会議)が始まりました。今年は中東のアゼルバイジャンで開催されます。この会議に日本政府団の一員として参加するのが、環境団体の代表理事を務める佐座槙苗(まな)さん(29)。「若い世代の代表だと思っているので頑張ってきます」と語ります。COPでどんなことをしてくるのか、聞いてきました。(朝日新聞be編集部・斎藤健一郎) 【画像】やればできる!再エネ100%のエコハウスのつくりかた <佐座槙苗(さざ・まな):循環型の社会づくりに取り組む環境団体、一般社団法人SWiTCH代表理事。1995年生まれ。高校卒業後、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学で学び、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン大学院へ。COP26・COP28・COP29に日本代表として参加>
「COP」は難しい会議のイメージだけど…
――出発前、お忙しそうですね? いろいろ調整とか国内でのイベントがあって、毎日帰宅は終電、みたいな感じですが寝られていますから元気です。 最初にCOPに参加した2021年は何もわからなかったので、右往左往していましたが、今回は3度目。開催国は毎年変わりますが、だいたい様子はつかめてきたので、楽しみですね。 ――COPって各国の政治家や政府代表らが集まって難題噴出の地球環境や温暖化対策について詰めて話し合っているイメージです。 そう思いますよね。ニュースを見ていると、みんながむずかしい顔で会議をしているイメージです。私も最初はそう思っていましたが、実際に行ってみると意外と雰囲気が違うことに驚きました。 約200の国・地域の代表が一堂に会して、温室効果ガスを出す化石燃料をどうやって減らしていくかとか、途上国支援の資金目標を決めるとか、厳しい議論や交渉をしているのは確かですが、実はそれはCOPのごく一部です。 例えると、環境の国際フェスみたいな感じでしょうか。本来は政府間交渉の場なのですが、最近は企業関係者やNGO、研究者も参加するようになっていて、コンベンションセンターのような会場にはたくさんの人が行き交っています。 昨年ドバイであったCOP28では参加登録者が10万人を超えたそうです。会場では各国がブースを開いていて、そこで展示があったり、イベントが開かれていたりします。 ブースにはその国の企業や研究機関などが、環境問題解決に対してどのようなアプローチができるか、商品や研究成果、モデル事業を展示しています。展示しているのは、その国が世界中の人たちに見てもらいたい「最新」のものや「イチ推し」ですから、見応えがありますよ。 今歩いていた人、どこかで見たことあるなあと思ったら「あっ、ビル・ゲイツだ!」ということもありました。 ほかにも北欧家具のIKEAの環境分野のトップが来ていたり、その国を代表する環境企業が集まってきていたりします。普段はなかなか会えない世界中の環境分野の重要人物、ステークホルダーが一堂に会する会場、気が抜けません。