株式市場は「香港などが上昇する一方、ベトナムなどが下落」…アジア・マーケット動向を振り返る【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
※本稿は、チーフリサーチストラテジスト・石井康之氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)による寄稿です。「アジアリサーチセンター」のレポートを基に、中国を中心に2024年4月のアジア・マーケットを振り返ります。
アジア:マーケット動向
⇒【株式】まちまち、【通貨】概ね下落、【債券】金利上昇 【株式市場】 ◆香港などが上昇する一方、ベトナムなどが下落 香港は、中国証券監督管理委員会が香港の国際金融センターとしての地位向上に向けた支援策を発表したことなどから上昇。また、良好な経済指標が発表されたマレーシアが上昇したほか、シンガポールも、長期金利が上昇するなか、大手銀行が株価指数を牽引。一方、通貨安圧力が高まったベトナムは下落し、オーストラリアもオーストラリア準備銀行による利下げ観測が後退したことなどから軟調。フィリピンは国家経済開発庁が成長率見通しを引き下げたことなどが嫌気された。韓国も、台湾の半導体受託製造大手企業が世界の半導体市場の伸び率予測を下方修正したことを受け、韓国を代表する電子機器・電気製品メーカーの株価が軟調だった。 【通貨(対米ドル)】 ◆概ね下落 米ドルが4月に上昇基調にあったため、多くのアジア通貨は米ドルに対して下落した。一方、インフレ率の粘着性などから豪ドルは米ドルに対して上昇したが、小幅にとどまった。 【債券(国債)市場】 ◆金利上昇 アジア国債利回りは上昇した。インドネシアでは通貨の安定性強化とインフレ圧力抑制のため6ヵ月ぶりに利上げが実施され、またオーストラリアでは物価指標上振れもあり、大幅な金利上昇となった。シンガポール、タイ、韓国、インドでは現行の金融政策が維持されるなか、中銀のインフレ指標への慎重姿勢も改めて確認された。 <※参照:各国の株価指数の名称> ●中国:上海/深圳CSI300指数、●香港:ハンセン指数、●韓国:韓国総合株価指数、●台湾:台湾加権指数、●インドネシア:ジャカルタ総合指数、●マレーシア:クアラルンプール総合指数、●タイ:SET指数、●ベトナム:ベトナムVN指数、●シンガポール:シンガポールST指数、●フィリピン:フィリピン総合指数、●インド:SENSEX指数、●オーストラリア:ASX200指数
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