厚生年金は手厚い?!年金収入だけで老後の生活費をカバーできるのか
現役時代に会社員や公務員で厚生年金に加入していた方は、老後に老齢厚生年金を受給します。年金は老後の生活を支える大切なものなので、いくらもらえるのか気になる方も多いでしょう。 ◆【写真】老後の夫婦世帯の一般的な家計収支を見る 老後の生活費は厚生年金だけでカバーできるのでしょうか。できないとすると、今のうちからどのような準備をしておけば良いのでしょうか。 本記事では、標準的な厚生年金受給額はいくらなのか、また、老後の生活費にはいくらかかるのかを解説していきます。今からできる老後資金形成方法もご紹介しますので、併せてご確認ください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
標準的な厚生年金受給額は約23万円
日本年金機構によると、令和6年度における厚生年金の標準的な受給額は、夫婦合わせて23万483円とされています。これは、平均的な収入で40年間働いた場合に受け取れる厚生年金と、2人分の国民年金の合計額です。夫が会社員で妻が専業主婦といったケースが該当します。 平均年収が高い場合や厚生年金の加入期間がさらに長い場合などは、これより高額な受給額になると考えられます。また、このモデルケースでは配偶者が専業主婦(夫)ですが、共働きであれば、その分高額な年金を受給可能です。
老後の生活費に必要な金額
厚生年金の標準的な受給額は約23万円とされていますが、年金収入だけで毎月の生活費をカバーすることは可能なのでしょうか。 ●生活費に最低必要な金額は約25万円 総務省統計局が公表した「家計調査報告 家計収支 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみ世帯の1ヵ月の支出額は、25万959円とされています。 厚生年金やその他の収入を合わせた1ヵ月の収入は244,580円ですが、社会保険料や税金が控除されて手取り額は21万3042円になります。そこから支出額の25万959円を差し引くと、毎月3万7917円の赤字になっているのが現状です。 毎月約3万8000円の赤字だと1年間では45万6000円に、20年間では912万円が不足する可能性があります。 ●ゆとりある生活のためには約38万円が必要 毎月の生活に最低限必要な金額は約25万円という結果ですが、老後は自由な時間が増えるため、ゆとりある生活を送りたいと考える方も多いでしょう。 生命保険文化センターが行った調査によると、ゆとりある老後生活を送るには平均37万9000円が必要と考えているという結果が出ています。 厚生年金の受給額が約23万円とすると15万円不足することになり、年金以外の方法で収入を得るか、現役時代のうちから貯蓄をしておく必要があるでしょう。 なお、ゆとりを持たせた分の金額の使い道は、旅行やレジャー、日常生活費の充実、趣味や教養、身内とのつきあいなどが多くなっています。