大谷翔平、”MVP級”の活躍続く明確な理由がわかる!? データでみる絶好調の要因は…?
6月に入った当初は快音が聞かれず、不安の声も聞かれたが、終わってみれば例年通り好調の6月を迎えたロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手。今回は、大谷選手の6月の好調の要因・秘訣をデータから探っていく。また、この過程で大谷選手の苦手克服や進化も見えてきた。(各数値は現地時間7月1日時点のもの)
まず、大谷選手の最近の好調はいつから始まったのか。データから見ると、現地時間(以下同)6月10日過ぎではないかと考える。 大谷選手の打率・OPSに関して、当日を含む前10試合ないしは20試合の数字の変化、つまり「移動平均」をグラフにした。例えば、6月20日の数値は、試合のない日を除いた6月11~20日ないしは5月29日~6月20日の打率/OPSとなる。
この移動平均を使うと、好調・不調の波が見えやすくなる。5月15日頃から始まった不調が6月10日過ぎから好調に転じ、好調の波がさらに加速していることが分かる。
6月は何が変わった?その打撃内容を徹底分析
好不調の波に相関し、その相関の仕方が途中から変わっている指標がある。これはボール球に手を出す割合、O-Swing%だ。以下、米分析サイト『FanGraphs』より、OPS、O-Swing%の相関を示すグラフを作成した。横軸は日付ではなく試合数(Game Number)になっている。 2つの指標の動き方・相関の仕方が、時期によって変わっているのが興味深いところだ。まとめると以下のようになる。 ・35試合ころ(5月上旬)まで OPSとO-Swing%の動きが類似。 ・それ以降 OPSとO-Swing%は逆に動き、OPSが上昇すればO-Swing%は低下。 状態が上がっていく中でボール球に手を出す割合も増えたこと、これがその後しばらくの成績低下につながったこと、ボール球を見極めるようになってから好調に転じて6月の好調につながっていることがうかがえる。 期間別の成績をまとめてみた。打率/OPS、本塁打、三振、四球の順に並べた。 5月中旬:.294/.885 2本、7三振、4四球 5月下旬:.206/.611 1本、9三振、1四球 6月上旬:.206/.594 1本、11三振、3四球 6月中旬:.368/1.399 6本、5三振、7四球 6月下旬:.296/1.326 5本、10三振、10四球 不調だった5月下旬~6月上旬に関しては、その前後に比べ三振は多く、四球は少なくなっている。好調に転じた6月中旬に入り、四球は増加、三振は減少に転じた。6月下旬の三振の増加については後述する。