新型アコードに続きホンダe:HEVモデル試乗 シビックとZR-V 雨の中で最新ハイブリッドを体験
シビックe:HEV
そして最後に試乗したのが、シビックe:HEVである。 新型アコードやZR-Vに搭載される最新世代の2モーター式ハイブリッドシステムは、2Lガソリンエンジンが直噴化されているのが特徴であり、シビックe:HEVで最初に採用されたもの。 このシビックe:HEVは、絶対的な速さこそタイプRに譲るものの、そのフィーリングは明確にスポーツハッチである。シビックにおいては先代にあたるFK世代から、ベースモデルとタイプRを並行して車両開発を行っているが、このFL世代でもそれは同様。「世界最速FF」を掲げるタイプRのエッセンスは、このe:HEVにも明らかに注がれている。 そう明確に感じさせるのは、エンジン最高出力141ps/同最大トルク18.6kg-m、モーター最高出力184ps/同最大トルク32.1kg-mをしっかりと受け止めきるシャシー性能の高さだ。シビックe:HEVの車両重量は1460kgで、純ガソリンエンジン車に対して約100kg増、タイプRと比べても30kgのプラスだが、バッテリーを後席下に搭載したことによる前後重量配分の適正化や低重心化が効いているのだろう。 さらにシビックe:HEVならではの注目装備が、エンジンの存在を感じさせるための工夫といえる「アクティブサウンドコントロール」だ。 ドライブモードが「ノーマル」/「ECON」ではいたって静かだが「スポーツ」に切り替えたとたん、俄然スポーティなエンジンサウンドが耳元に届けられる。 アクティブサウンドコントロールは擬似的なエンジンサウンドを足して、スピーカーを通じて車内へと届けるシステムだが、「音」という要素は実際のエンジンパワーやメーターなどによる視覚以上に、ドライバーに与える影響が大きいことを体感できる。 機構的には市販車以外も可能だろうから、せっかくなら現代F1のV6ハイブリッドであったり、かつてのV8やV10、さらにはV12といった究極の自然吸気エンジンサウンドが楽しめたらいいのになぁと思ってしまった。