先延ばしの逆「前倒しグセ」に気をつけて!即レス=デキる人とは限らないから
状況によって傾向は異なるかも?
でも、振り返ってみると筆者の場合は、この傾向は子ども時代はそれほどではなかった気がします。 夏休みの宿題は最初は普通に取り組むものの、途中でだらけて最後にまとめてやっていました。部活や趣味にはまっていた高校時代も、大学受験は直前3カ月の集中学習で乗り切りったものです。 大人になってから、特にフリーランスのライター・翻訳者として締切に遅れたことはありません。 それは、締切日を自分で設定できたり、引き受ける前に交渉できる仕事が多いこと。そして、締切の延長が必要になった場合でも、早めに仕事をスタートしていると早い段階で先方に連絡して期限を延長してもらえるからです。 ガーディアンの記事では、前倒し傾向の人には「締切に間に合わなかったらどうしよう」という不安があるのかもしれないという、専門家の意見が引用されていました。 確かにそれが皆無とは言えないのですが、前倒しの傾向が助長されるのは、むしろ新しい仕事の依頼が来たときに受けられるように、進行中の仕事をどんどん終わらせておきたいという気持ちが先立つからなのです。 これ、フリーランスの人にはわかってもらえるでしょうか。前倒しすることによって、無駄な労力が多少あったとしても、そのメリットが大きいと(少なくとも本人は感じている)いうわけです。 家事や片付けについては先送り気味。だから、すべてがすべて前倒しで行なっているわけではありません。 影響が及ぶのが自分だけなら先送り気味で、他人が関与していると、やはり迷惑はかけたくないので前倒し傾向が強くなるようです。 そう考えると、人にはそれぞれ元々の傾向はあるかもしれませんが、それは状況や環境によって強化されたり、変化するような気がします。
まわりの人に同じ傾向を求めていない?
前述したマイナス面に納得しつつ、もう1つ重要なことに気づきました。 それは、前倒し傾向があると、まわりに同じ対応を求めたり期待してしまうこと。特にいまでは即対応できるツールがあるので、そういう期待も高まりがちです。 サクサク型といえば聞こえはいいのかもしれませんが、要するにせっかちなので、のんびり型にイライラさせられることもあり、お互いのストレスになりかねません。 昨年のことですが、地元(アメリカ)の大学生のプロジェクトに関与する機会があり、学生さんたちとやりとりすることがありました。 その際に先生から「いまの学生は返事するのが遅めなので気にしないでください」とひとこと言われていたので、1週間ほどメールの返事が来なくても(それで支障もなかったので)気にしないようにしていました。 でも、その事前の一言がなければ、おそらく「いまどきの若者は」を振りかざし、ひとりでイライラしていたはず。 筆者が個人的に一番悩むのはタイプの違う家族とのギャップです。 「明日できることは今日やらなくてもいいだろう」というパートナーと子どもに対して、「今日できることをなぜ明日に先送りするのか?」という私。 確かに即時対応しなければならないことは、それほどありません(それにそういう場合にはのんびり組も即対応します)。 それがわかってはいても、ついつい相手に同じようなペースを求めてしまい、お互いがイラつくことはあります。これは、職場のチームにも当てはまる場合があるかもしれませんね。