【遺族年金見直し】子どもがいない配偶者は男女とも5年に?改正のポイントを解説
厚生労働省は、遺族厚生年金について、60歳未満で子どものいない配偶者は男女ともに受給期間を5年間とする改正案を発表しました。 ◆【写真3枚】現行の遺族年金はどんな制度?改正後はどうなる?図表で見る これまで、子どものいない夫婦が60歳未満で受け取る場合の要件に、男女差があり不公平であると言われてきました。今回の改正案ではそれが是正されています。 現行制度からどのように変わるのか、ややこしい遺族厚生年金の受給要件を整理して、改正のポイントをわかりやすくお伝えします。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
遺族厚生年金はどう変わる?
今回の遺族厚生年金の見直し内容をお伝えする前に、現行の制度がどのようになっているのか、見直しとなる部分を中心に確認しておきましょう。 ●現行の遺族年金の受給要件 国民年金および厚生年金の被保険者が死亡した場合に、死亡した人と生計維持関係にある遺族は、次の要件に当てはまると遺族年金を受給することができます。 ●遺族基礎年金を受給できる人 18歳未満の子を持つ配偶者または18歳未満の子 ※子の要件:18歳になった年度末までの子、または20歳未満で一定の障害状態にある子 ●遺族厚生年金を受給できる人 次の遺族のうち、最も優先順位の高い人が受け取ることができます。 1.配偶者および子 2.父母 3.孫 4.祖父母 ※夫、父母、祖父母の場合は、死亡当時に55歳以上であることが要件となります。ただし遺族年金が支給されるのは60歳からです。 配偶者がいる場合は、配偶者が受給することになりますが、子どもがいる配偶者(遺族基礎年金が受給できる配偶者)は性別や年齢に関係なく、遺族基礎年金と合わせて遺族厚生年金が受給できます。しかし、子どもがいない配偶者の場合、性別と年齢によって受給内容が変わってきます。 <遺族が妻の場合> ・30歳未満の妻は5年間の支給 ・30歳以上の妻は生涯にわたり支給 <遺族が夫の場合> ・55歳未満の夫には支給されない ・55歳以上の夫には支給されるが、60歳から支給開始となる 共働き夫婦が多数を占める現在では、実態にそぐわないとして、男女差を解消する案が示されました。