「痛みは、永遠に続かない。」少女の祈り 大学生が作った短編映画『ファースト・ピアス』のその後
映画を作った2人はゼミ仲間
木村ナイマ監督(フリーの映画監督、上智大学5年) 福岡市出身。上智大学文学部新聞学科在学中。水島宏明ゼミ所属。2021年、大学の友人たちと映画制作を始める。初監督・脚本作の『ファースト・ピアス』が西湘映画祭でグランプリ受賞。同作はTOKYO青春映画祭にも選出され、現在U-NEXTで配信中。歌舞伎町のガールズバーに潜入取材しながら『天使たち』の脚本を執筆。映像は主にMV制作、そのほかにもイベント主催やDJ活動、「スナック梅」のママとしても活動中。 荒尾奈那プロデューサー(CM制作会社勤務) クリエーティブディレクター北尾昌大の弟子として活動中。水島ゼミOGで監督の木村とは大学の同級生。2020年上智大学のミスコンを廃止し「ソフィアンズコンテスト」を新設、運営代表を務めプロデュース業の魅力に気づく。前作『ファースト・ピアス』でもプロデューサーを務めた。自らもドキュメンタリー制作を行い、『亀と余生と、しあわせと』が鶴川ショートムービーコンテストに入選。
映画『ファースト・ピアス』の鮮烈さ
主人公は、退学寸前の女子高生マリア。親友の羊(ヨウ)といる時間が唯一の生きがいです。平日の朝、2人が自転車で学校ではなく、河原に向かいます。少し騒音がうるさい高架下で、学校をサボって話をしているシーンが出てきます。 マリア(河野聖香):本当にそろそろ退学になるんじゃないの、うちら。 羊(佐藤たら):うーん、そうだねー……。退学になったら何する? マリア:退学になったら? 羊:うん… うちはねー、映画館でバイトでもしながら、マックでもバイトして、キャバクラもする。 マリア:柄にもなく、現実的じゃん。 羊:てか、マリアは? マリア:何が? 羊:だから、退学したら何したいのって話。 マリア:うちは特に何もないけど……。 羊:へえー。 マリア:強いて言えば……もっと悪いことする。 羊:え? (マリアが立ち上がって走り出す)え、待ってよー!