「クイーンビートル」浸水隠しでJR九州が日韓航路撤退、JR九州高速船は解散…運航再開を断念
JR九州高速船(福岡市)が博多港と韓国・釜山(プサン)港を結ぶ旅客船「クイーンビートル」(定員502人)の浸水を隠して3か月以上運航を続けていた問題で、同社親会社のJR九州は23日、運休中の同旅客船の再開を断念すると発表した。1991年から続けてきた日韓航路から撤退し、JR九州高速船については解散する。 【写真】記者会見で謝罪し、頭を下げるJR九州の古宮社長とJR九州高速船の大羽社長(11月26日午後、福岡市博多区のJR九州本社で)
JR九州は運航再開を目指していたが、浸水が相次いだ船体の補強が難しく、事業の継続が厳しいと判断した。古宮洋二社長は23日、福岡市で記者会見し、「運航再開を期待していたお客さまに深くおわびする」と陳謝した。
クイーンビートルは昨年2月に船体内部に浸水したが、JR九州高速船が国土交通省に報告せずに数日間運航し、行政処分を受けた。今年2~5月に浸水した際には航海日誌に「異常なし」と虚偽記載していたことが、国土交通省の8月の抜き打ち監査で発覚し、同月から運休していた。
問題を巡っては、海上保安庁が船舶安全法違反などの容疑で捜査を続けている。