湘南工大附がセットプレー3発を含む4ゴールで湘南を下し3回戦へ進出
9月16日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選2回戦が行われ、湘南と対戦した湘南工大附が、4-1で勝利を収め3回戦進出を決めた。 【フォトギャラリー】湘南 vs 湘南工大附 しっかりと引いてカウンターに徹した湘南に対し、なかなか攻撃の糸口が探れない湘南工大附だったが、13分、右サイドMF16松山龍登のクロスからCKを獲得、FW10荻野寛太からの低い弾道のCKをMF9長野里久が頭から飛び込みゴールネットを揺らす。 先制点を取り攻撃のリズムを掴んだ湘南工大附は、ここから持ち味の「神奈川一ボールを動かすサッカー」を展開、湘南の守備に揺さぶりをかけると、18分には右サイドからの折り返しをMF14佐藤颯人が、32分には荻野がカットインからシュートを放ち追加点を狙う。 すると37分、左サイドのゴール横でFKを獲得するとキッカー荻野が蹴ったボールをファーサイドでDF4関口遥斗がドンピシャに合わせ追加点を獲得、前半を2点のリード折り返す。 何とか早い時間に反撃に出たい湘南であったが、逆に後半開始早々の43分、「ニア上の神コースが開いていたので迷わず振った」ゴール前に抜け出した荻野に決められ、その差が3点に開いてしまう。 しかし、直後の55分のC Kから流れが徐々に湘南に傾き始める。キッカーのDF12荒木智大の蹴ったボールが、GK12中島涼太の伸ばす両手の先を大きく曲がりながらそのままゴールの中へ消えるが、その前にファールがありこれはノーゴールの判定。だが、ここからペースを掴むと58分、ゴール前の混戦から最後はMF7堤澄海が左足で流し込み1点を返す。さらに34分にカウンターからFW30斉藤拓海がシュートに持ち込むが、これは枠の上。 流れを止めたい湘南工大附は39分、セットプレーのセカンドボールを回収、最後は荻野が上げたボールを「良いボールが来たので合わせるだけでした」関口がヘディングで合わせ、粘る湘南を抑え込み3回戦に進出した。 試合後、湘南工大附の佐藤キャプテンは「トーナメントの初戦で難しいゲームになるとは思いましたが、ゲーム全体では自分たちのペースで進められてよかったです」と評価。次戦に向けては「無失点で終われていないのは、今のチームの課題なので修正していきたいです。チームの目標である全国に行くために一戦必勝でひとつひとつ勝ち上がっていきたいです」と力強く語った。決勝ゴールの関口は「無失点で終われないのは課題。最初に来た時はっきり弾き返せないと…周りで声を掛け合ってしっかり弾き返していきたい」と反省しつつ、「関東もインターハイも出れていないので全国に行って、応援してくれる方々のためにも結果を残したいです」と今後の意気込みを語った。 1ゴール2アシストとチームを牽引した荻野は「相手のストロングポイントがセットプレーなのは分かっていましたが、逆に前半、自分たちがセットプレーで取れたことは良かったです。後半は相手のロングスローなどで押し込まれた部分はありましたが、その中でも得点を取れたのは成長したところかなと思います」と分析、続けて「目の前の試合を一戦必勝でやっていくだけです。湘南工科のスタイルを忘れずに、目の前の試合を大切にしていきたいです」とハッキリとした口調で語った。 惜しくも及ばなかった湘南・屋比久祐太朗監督は「完全に力負けです。ちょっとリスペクトしすぎた部分はあったかなと思います。警戒していたボールの動かしではなく、セットプレーから3点やられてしまいました」と悔しさを滲ませた。 (文・写真=西山和広)