【つるの剛士×杉浦太陽】「自分の人生を生きる」秘けつは、子どもの前で立派であろうとしないこと
自分を健やかに保つカギは、「何に満足するか」を知ること
──とはいえ、子育ての真っただ中はご自身にもたくさんの変化があったと思うのですが、お二人はどうやって自分自身を健やかに保っていたのですか? つるの:趣味のおかげかな。僕の場合は、あえて自分が身を置く環境を増やしていたと思いますね。芸能界だけじゃない、ルールがまるっきり違う環境に自分を置いてみることで、感謝の気持ちをもらう経験ができたり、「思いどおりにならない」場面に直面したりするのが楽しかった。 杉浦:家庭と仕事でいっぱいになってしまいそうだけれど、逆に、増やすんだ! つるの:たとえば、僕は保育士の資格を取ったから月に何回か地元の幼稚園にボランティアに行っているんだけれど、「ありがとう」って言ってもらえると純粋にうれしいんだよね。「つるの先生―!」って子どもたちが駆け寄ってきてくれる姿を見ると、こっちが助けてもらっている気がする。 子どもたちって何も計算がなくて、自然じゃない? それがすごく楽しい。僕にとっては趣味の山登りとかサーフィンみたいな自然の中にいる時間と、子どもたちと触れ合う時間の幸福度は、すごく似ているんだよね。 杉浦:どういうこと? つるの:自然を相手にすると、何が起きるかわからないじゃない。急に天気が変わったり雨が降ったり風が強くなったり匂いが変わったり。子どもたちの世界も同じで、子どもたちも自然だから、次に何が起こるかわからなくて面白い。太陽は、どう?
杉浦:僕の趣味は、妻といることですね。 つるの:すごいな(笑)。 杉浦:妻の気配を感じながら妻と何かを一緒にやることが趣味で、そこに幸せを感じるから、とりあえず時間を見つけて家に帰っています(笑)。困った時に「たぁーくん」(注:杉浦さんの呼び名)って呼ばれたらそれに応えたいし、妻にほめられることがメンタルを保つ秘けつかも。なので、家では自分の役割を自分でつくって、自分がいなきゃダメだという状況をつくっておくことは意識していますね。家族の中で、自分が必要とされるシーンをきちんとつくっておく。 つるの:なるほど、それもいいね。そういう意味で言うと、僕もどんどん新しい環境に飛び込んで挑戦するモチベーションは、妻にほめてもらいたいからだなぁ。