知床事故で5月にも提訴へ 乗客14人家族、札幌地裁に
北海道・知床沖で2022年4月、観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没した事故で、乗客14人の家族が5月にも、運航会社「知床遊覧船」と桂田精一社長(60)に損害賠償を求め札幌地裁に提訴する方針であることが29日、被害者弁護団への取材で分かった。 弁護団によると、原告の人数は20人以上になる見込み。同社側が船の整備や当日の出航可否判断などで必要な安全策を怠ったと訴える。賠償請求額は精査中という。 運航会社への検査などが不十分だったとして、国などを相手取り、損害賠償を求める訴訟も検討している。 事故は22年4月23日に発生。乗客乗員26人のうち20人が死亡し、6人が行方不明となった。不明者の一部の家族は、「認定死亡」の手続きをした上で訴訟に加わる。 運輸安全委員会は23年9月の最終的な調査報告書で、船首付近のハッチが確実に閉鎖されず出航、悪天候でふたが開き浸水したのが原因とした。
家族とは別に、亡くなった甲板員の両親が、日本小型船舶検査機構(JCI)に損害賠償を求め、東京地裁に提訴している。