限界は遥か先 V字回復の35歳 巨人・丸佳浩が見せる「崖っ縁からの逆襲」
堂々の「V字回復」と呼んでもいいでしょう。 首位・巨人で不動の「1番・ライト」に君臨する丸佳浩です。昨シーズンは11年ぶりに規定打席に到達できず、121試合に出場して、打率.244、18本塁打、47打点の結果に終わりました。年俸4億5000万円から1億7000万円減の2億8000万円でサイン(金額は推定)。外野のレギュラーも確約されず、横一線の競争参加を求められながら、勝負の35歳シーズンに突入したのです。 【動画】まさに一閃!丸が広島守護神、栗林から放ったサヨナラアーチをチェック そして、ふたを開けてみれば…。コンスタントに打ち続け、攻守に安定感あふれるパフォーマンスを続け、V奪回を目指すチームには欠かせない存在として、ジャイアンツを牽引しています。4日のヤクルト戦でも初回先頭打者として、相手左腕の石川雅規から右前打で出塁。しっかりチャンスメイクし、その後の大城卓三の先制2点適時打につなげました。追加点が欲しい5回も二死から右翼線に二塁打をマーク、二死二塁とチャンスを拡げ、この回は相手の好守もあり得点には結びつきませんでしたが、3打数2安打とマルチ安打を記録。チームを引っ張るリードオフマンの役目を果たしています。 スポーツメディアの関係者は言います。 「『投高打低』の今シーズンにおいて、打率3割近くをしっかりマークしている点に目が行きがちですが、四球の多さも素晴らしい。選球眼が優れ、ボールを見極めて出塁できる。まさに1番打者の鑑です。左投手を苦にしないのも見事。首脳陣からすると、安心して1番打者を任せられる存在でしょう」 そして、こう続けるのです。 「どんな一流の打者にとっても、35歳のシーズンは大きなターニングポイント。それまでコンスタントに成績を残してきた打者であっても、肉体的な衰えが隠せない年齢でもあります。しかし、丸にはそれが感じられない。試合前の練習や日頃の生活から、高いパフォーマンスを発揮するために節制し、準備を重ねているからこそ、この年でここまでの成績を残すことができている。そのベースには、カープの若手時代の猛練習があることも見逃せません。若い選手からすれば、『生きたお手本』と言っても過言ではないでしょう」 秋広優人や浅野翔吾ら次世代を担う若武者たちが、虎視眈々とレギュラーの座を狙おうとも、「丸の壁」は依然として高くそびえています。 まだまだ熾烈な競争が展開されそうな今季のセ・リーグ。35歳が打率3割をマークできれば、自ずと巨人のV奪回が近づくとも言えるでしょう。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]