当然?残酷?ソフトバンク今季支配下昇格の有望選手が1シーズンで戦力外に
【球界ここだけの話】日本一はかなわなかったが、4年ぶりのパ・リーグ制覇を果たしたソフトバンクのチーム内競争の厳しさを世に知らしめたのが、今年3年目だった仲田慶介内野手(25)の戦力外だ。4日、福岡市内の球団事務所で通告を受け、来季は育成枠での再契約を打診された仲田は泣きながら心境を語った。 【写真】小久保監督の長女、小久保春菜「娘の私がコメントできるような内容ではないですが…」 「育成での契約といわれ、ちょっと驚いている。正直、言葉が出ない。今年死にものぐるいで(支配下を)つかんだ。来年そのときの気持ちでやれるかといわれたらちょっと厳しい部分がある。もう一度1軍でプレーしたいと思って2軍で取り組んで本当に死ぬ気でやっていた。その中で1軍でチャンスをもらえなかったというところは本当に今までで一番といっていいほど悔しかった」 ホークスから来季育成での契約を打診されながらも他球団の契約オファーも待つ意向を示した。 2022年育成ドラフト14位で入団。今季3月に支配下を勝ち取り、2軍戦では24試合で打率・403の成績をあげた。1軍ではデビューし、2試合でスタメン起用されたほかは主に守備固めや代走で24試合に出場。14打数3安打、打率・212と十分のアピールとはいかなかったかもしれないが、内外野を守ることができ、抜きんでた強肩は一級品。ただ、1軍で走者をアウトにする派手な補殺シーンをみせられなかったのが残念でもあった。 あともう少し1軍でチャンスがもらえていれば…故障によるリハビリを強いられることのない選手が支配下昇格から1年で支配下70人の枠を再び外れるのは精神的にもきつい。複雑な思いが交錯する戦力外通告となった。 今年、ホークスの育成選手は56人からスタートし、その中から8人が支配下入りした。だが仲田と今季ウエスタン・リーグの最優秀防御率(1・60)のタイトルを獲得した三浦瑞樹投手(25)がわずか1年で支配下登録を外れ、もう一度育成からのスタートを打診された。 球団幹部は「2人とも残ってほしい。だが、初っぱなで(支配下枠いっぱいの)70人ではじまったら選手たちは頑張れない」と、大勢を抱える育成枠の選手のモチベーション維持のためにも、争う枠を空けておく必要がある点を指摘。その上で、仲田が育成選手として残れば来年も支配下昇格の有力候補になると説明した。