マクラーレン、1275馬力のV8ハイブリッドに “地面効果” エアロ採用 新型「W1」約3億8800万円から
P1の正当なる後継車
英国のマクラーレンは10月6日、新型スーパーカー「W1」を初公開した。P1の後継車であり、レースで鍛えられたエアロダイナミクスと、合計出力1275psのV8ハイブリッドを採用している。 【写真】「アンヘドラル式」ドア採用! 3億円超の限定生産スーパーカー【マクラーレンW1を写真で見る】 (22枚) P1の登場から10年の間にセナやスピードテールが続いたものの、マクラーレンは新型W1こそが真の後継車であると考えている。価格は200万ポンド(約3億8800万円)で、合計399台のみの限定生産となるが、すでに完売しているという。 新型W1は、パワーとパフォーマンスの面でマクラーレンの全記録を塗り替えた。セナよりも速くサーキットを周回し、スピードテールよりも速やかに加速する。エンジンからサンバイザーに至るまで、あらゆるコンポーネントを徹底的に軽量化した結果、車両乾燥重量は1399kgに抑えられている。 前身となるP1は、フェラーリ・ラ フェラーリ、ポルシェ918スパイダーと同時期に発表されたことから、スーパーカーの「三位一体」として有名だ。フェラーリは現在、ラ フェラーリ後継車の発表を間近に控えているとされ、W1の直接的なライバルとなる可能性が高い。
「史上最強」のパワーユニット
W1の心臓部には、マクラーレンの長年のパートナーであるリカルド社製の4.0LフラットプレーンクランクV8ツインターボエンジンが搭載される。 マクラーレンによると、ハイブリッドシステム用に新しく設計された特別なユニットだという。 このエンジンは「MHP-8」と呼ばれ、直噴とポート噴射を併用し、エンジン単体で最高出力928psを発生する。これはマクラーレンのエンジンの中で、排気量1.0Lあたり最も高い出力だ。モーター制御ユニットと、フォーミュラEマシンに匹敵する性能を持つ最高出力347psのラジアルフラックス電気モーターを組み合わせ、合計出力1275ps、最大トルク136kg-mを実現した。 モーターは主にパフォーマンス向上のために使用されるが、8速デュアルクラッチ・トランスミッションのリバースギアとしても機能する。静かな始動を実現し、約2.5kmのEV航続距離も可能だ。容量1.4kWhの小型バッテリーを使用しており、プラグインハイブリッド(PHEV)ではない。 eディファレンシャルも装備されている。マクラーレンによると、W1のハイブリッド・コンポーネントの重量はP1よりも40%軽くなっているが、出力は40%向上しているという。 0-100km/h加速は2.7秒、0-200km/h加速は5.8秒、0-300km/h加速は12.7秒とされる。最高速度は350km/hに制限され、エンジンの最大回転数は9200rpm。マクラーレンは、レッドラインに向かって排気音に「クレッシェンド(だんだん強く、を意味する音楽記号)」がかかるとしている。 複数のパワートレイン・モードが用意され、1ラップで最大限のパワーを発揮する「スプリント(Sprint)」モードから、より長いサーキット走行に適した「GP」モードまで、電動アシストのレベルを調整することができる。 レースのプッシュ・トゥ・パス(P2P)を模倣した「ブースト(Boost)」設定にすると、瞬時にフルパワーが得られ、これをリアウイングのドラッグ・リダクション・システム(DRS)と組み合わせることで、直進スピードをさらに上げることができる。 これらのシステムには、ステアリングホイールにある2つのボタンだけでアクセスできる。 W1ではまた、エアロダイナミクスとサスペンションによりグリップと荷重を確保したため、四輪駆動は必要ないと判断された。パワーとトルクはすべて後輪に供給されるが、そのマネジメントには「F1のノウハウ」が活かされているという。