アリ対猪木がメイウェザー対マクレガー決定で41年ぶりに海外で再注目
また同じく英国系の「イブニングスタンダード」も「アリは日本人レスラーとの試合で足を痛めたが、メイウェザーはマクレガーに負けるわけがいかない」とのタイトルで、メイウェザー対マクレガー戦を41年前のアリ対猪木戦に重ねた。同紙はアリが猪木に足を徹底して蹴られたことで、専属トレーナだったアンジェロ・ダンディが「足を切断しなければならないほどの重症だった」と語るほど、深刻なダメージを受けて、以降のボクサー人生で、蝶のように舞うフットワークを見せられなかったことを強調した。 この記事でも同じく「アリが自分で好きなような結果に操作できるエキジビジョンマッチだと思って試合を決めたら」、猪木が真剣にトレーニングを行っていて公開スパーリングでの肩への跳び蹴りを見たアリ陣営がルール変更を要求し、ハイキックや掴むなどのプロレス技をすべて禁じたことや、一方の猪木が、金属板をシューズに入れていたなどの当時のエピソードを掘り起こした(金属板を入れたことは、のちに猪木陣営が否定している)。 試合は、「猪木が64度のキックを浴びせた間に、アリは5発のパンチしか見舞わなかったが、ドローに終わり、猪木が激怒したが、のちに2人は友人となり、アメリカでのアリの結婚式に猪木が招待された」とまとめられた。 そして、メイウェザーがショービジネスとしての金儲けに走ってこの試合を決めたため、多くのボクシングファンが、「ボクシングを軽視している」と批判していることや、ボクシングルールなら「メイウェザーが楽に勝つだろう」と予測。その上で最後に、41年前のアリ対猪木戦に重ね「ラスベガスのブックメーカーはドローに期待していない。しかし、世界中の誰もがお金をかけて、興行主たちも含め、誰もが儲けることになるだろう。1976年のアリ対猪木戦がそうだったように」と、今回のビッグマッチに皮肉をこめた。 米のボクシング専門サイトの「ボクシングシーン・ドットコム」は、「アリ対猪木戦の記憶を思いださせる」とのタイトルを打って、アリ対猪木戦がどんな試合だったかを伝えることをメインに、アリがこの試合で足を怪我するリスクを負ったことを紹介した。 「怯える猪木はアリの足を蹴ろうとリングに寝そべったまま大部分の時間を消化して15ラウンドを戦ったあげくに、そのつまらない試合はドローとなった」と、試合を表現。アリがボクシングの試合がないオフを利用して600万ドル(当時のレートで約18億円)を手にするために行ったのかもしれないが、その後、試合で受けた足へのダメージから、血栓症を患うなど、ボクサー生命に大きな影響を与えたことが説明された。