アリ対猪木がメイウェザー対マクレガー決定で41年ぶりに海外で再注目
プロボクシングの無敗の元5階級王者、フロイド・メイウェザー・ジュニア(40)と総合格闘技UFCの2階級王者、コナー・マクレガー(28)の“最強対決”が8月26日に決まったことで、海外メディアが続々と1976年6月に日本武道館で行われた、当時WBC、WBA世界ヘビー級王者だった故・モハメッド・アリ対アントニオ猪木との“世紀の一戦”を引き合いに出して41年ぶりにクローズアップしている。 英国の「メイル・オンライン」は「悪名高き『世紀の一戦』アリ対猪木戦から学べ!と、アリ対猪木戦と比較して、メイウェザーが試合内容次第では、これまでの評価を落とすリスクをあることを指摘した。 同記事では、元5階級王者vsUFC王者の試合がPPVの歴史的な数字を稼ぐことを予想。早くも賛否両論が出ていることを紹介しつつ、すでに1976年にボクシング世界王者対レスラーの試合が行われていて、そのアリ対猪木戦が、どんな試合だったかを回顧した。 アリ対猪木戦の後に出てきた様々な検証記事に比べ目新しい記述はなかったが、当時34歳のアリが当初、アメリカンプロレスのようにショーとして演出されたエキジビションマッチを予想して日本へ行くと猪木が真剣に異種格闘技戦の「世紀の一戦」に向け準備をしていて、リハーサルも予定されず、アリ陣営がパニックに陥り、あわてて猪木のキックは片ひざ状態でなければならないなど、グローブを着用しない猪木が、ほぼ何も攻撃のできない厳格な異種格闘技ルールが作られた経緯を説明。 「15ラウンドの道化芝居が、世界中で約14億人の前で行われた」と、ほぼ見せ場のないまま15ラウンド引き分けに終わった試合を厳しく表現し、観客が怒ってチケットの払い戻しを求めたことなどを伝え「ドローで2人のプライドが少なからず保たれた」と書いた。 記事は「アリ対猪木戦と違い、今回は通常のボクシングルールで行われるが、アリのような偉大なるボクサーでさえ、違った2つの格闘技の戦いは、永久に、その評価を傷つける可能性があったことに気をつけなければならない」と、警告して結んだ。今回の試合も凡戦となり、これまでパッキャオやデラホーヤなど数多くの名ボクサーを打ち破り、無敗で引退したメイウェザーの経歴に傷がつく危険があることを示唆したのだ。