ホンダ・日産が大慌て「中国のEV」が世界を席巻する「揺るがない理由」…なぜ日本のクルマは敗北を喫したのか
11月30日から12月5日まで、中国を訪ねた。北京で習近平政権の要人に会い、広州で開催された国際会議に出席するためである。 【写真】車のナンバープレートで絶対に「使ってはいけない」4つの平仮名 春にも、北京での国際会議や大学での授業のために訪中したが、先端技術分野での開発の進展ぶりには目を見張るものがあった。とくにEV(電気自動車)における進歩は目覚ましい。
完全自動無人タクシーに乗って
北京では、理想汽車(Li Auto)の最新鋭EVに乗ったが、テレビ画面並の大型カーナビスクリーン、そこに搭載される情報の豊富さと正確さ、コードレスのスマホの充電システムなど、日本の車の先を越す先端技術が満載であった。 同じ北京で半年前に乗った車よりも、遙かに進歩した機器が満載であった。EVなので音も静かだし、快適な乗り心地である。 南の広州では、完全自動運転のタクシーに乗ったが、スマホで呼ぶと5分以内にタクシーが到着し、きちんと目的地まで送り届けてくれる。支払いなど、全てスマホ一つで済む。AIによるデータの集積と学習、優れたセンサーの技術などが統合された成果である。 日本だと、データの集積、町中での運転実験などを実行するのに、大きなハードルがあるが、広大な土地が広がり、警察による規制権限の大きな中国では、実証実験など簡単である。私が、自動運転のタクシーを利用したのは、トヨタ、日産、ホンダが海外最大規模のプラントを展開する工業団地であった。 完全自動運転の車は市販もされており、すでに愛用している広州市民もいる。自動運転なので、運転は任せて、自分は車の中で朝食をとったり、化粧をしたりしながら、勤務先にむかうという時間の有効活用ができる。しかも、ルール通りに走るので、安全運転で事故の心配もない。 日本は高齢化社会である。私も後期高齢者の仲間入りをしたので、運転免許証の更新の際に、認知症検査と運転実習テストが不可欠となった。幸い両者ともパスしたが、免許証を返納する高齢者も増えてこよう。都会は公共交通機関が発達しているが、田舎では車がなければ生活できない。日本でも、一日も早く自動運転車が実現するのを期待したい。