日本郵便「クロネコゆうパケット」来月にも受託停止へ、ヤマトと決裂
企業間の合意を破ったとしてヤマト運輸に120億円の損害賠償を求める訴訟を起こした日本郵便が、薄型荷物の配達受託をやめる準備を始めたことがわかった。薄型荷物では「協業」から「競争」の関係に戻り、ヤマトの迷走に乗じて営業攻勢を仕掛ける方針だ。 【内部資料】日本郵便社長「クロネコ客に営業攻勢」ヤマトに宣戦布告 日本郵便の内部資料によると、ヤマトが集荷して日本郵便が配達する「クロネコゆうパケット」の協業は事実上、近く中断する。早ければ来月にもヤマトが自前での配達を再開する見通しだという。 中断するのは東京以外の地域が対象で、まだ受託していなかったフリマアプリや東京エリアは計画を凍結。配達の中断などにともない、荷物の追跡システムや顧客の問い合わせ対応も仕様を変える。 2社は昨年6月の合意で、メール便と薄型荷物の配達委託を決めた。配達効率を高める狙いでヤマトの既存サービスを協業サービスに置き換える計画で、メール便の移行は今年2月に完了。薄型荷物は段階的に移行していたが、フリマアプリや東京エリアを残した状態でヤマトが「待った」をかけていた。(藤田知也)
朝日新聞社