今年度の小学生No.1スケーターは永原依弦! Flake Cup 2023-2024 Championship
日本一の小学生を決める戦い
「キッズスケーターの登竜門」 「スケートボードを始めた子供が最初に出る大会」 「子供でも名前を売ることができる場所」等々、 今や様々な謳い文句で形容されるほど存在価値を高めているFlake Cup。 その中でも新年を迎えた頃に行われるチャンピオンシップは、「小学生日本一を決める戦い」として、毎年数々の熱い戦いと感動のドラマが繰り広げられている。 今年も1月13日に千葉の幕張にあるイオンモール幕張新都心 1F グランドコートにて開催され、高さ120cmのミニランプを舞台に、小学生とは思えないほど高レベルなトリックのオンパレードとなった。
出場するだけでも狭き門
それもそのはず、このチャンピオンシップに出るには、イオンモールと提携した数十名から100名オーバーのエントリーが集まる全国5地区(関東、中部、近畿・中四国、東北・北海道、九州・沖縄)を転戦するジャパンツアーと、全国大会にあたるFLAKE CUP 2023 Oita JRおおいたシティー大分駅前広場大会を勝ち抜かなければいけないので、出場権を獲得するだけでも非常に狭き門となっている。 今年は上記の5地区6大会のジュニア(小学校高学年)、キッズ(小学校3年生以下)クラスに加え、大分(全国)大会のガールズ & スーパー小学生(スポンサーが付いている、もしくはプロ資格を有するライダー)クラス上位3名の中から、重複した選手を除く40名の選りすぐられた小学生と、当日午前に行われるワイルドカード予選大会を勝ち抜いた計46名によって、2023年度No.1小学生の座が争われた。
ワイルドカードに出場していた方が有利!?
まずは午前中に行われたワイルドカード予選なのだが、はっきりいってここからすでにハイレベル。 出場選手が今大会の予選にあたる前述の5地区6大会で惜しくも4~6位に終わり、あと一歩届かなかった選手に加え、スーパー小学生も入り混じった51名なのだから、通常なら本選にストレートインしていてもおかしくない選手が何人も顔を揃えていたことは想像に難しくない。 ここで上位6名に入るとチャンピオンシップ本選出場権が獲得でき、午後の戦いに駒を進められるのだが、面白いのが、このスケジュールで行われる場合、勝ち抜きさえすればワイルドカードに出場した方が有利なのでは!?という見方ができるところだ。 というのもFlake Cupのジャパンツアーは、イオンモール内イベント広場に特設されたミニランプが会場になるため、敷地内は当然網に囲われたミニランプ以外で滑ることができない。 滑走できるのは各ヒート本番前に与えられる45秒ラン2本のみで、通常のストリートやパークスタイルコンテストのようにまとまった練習時間をとることができないので、場慣れという意味でもワイルドカードに出ていた方が精神的にも楽になるという見方は否定できないだろう。 だがそれも、裏を返せばワイルドカードと全く同じルーティーンではさらにレベルが上がる本選では順位は下がってしまうだろうし、ジャッジから見た印象面でもマイナスになることは避けられない。 余力を残しながらも確実に予選を勝ち抜き、本番ではさらにギアを上げた滑りを披露することが求められるので、トリックの引き出しや完成度の高さだけでなく、勝つための戦略も必要になってくるだろう。経験値がものをいうところも否定できない。 それであるがゆえ、今までワイルドカードから勝ち上がってきた選手の優勝はなかったのだが、なんと今年は史上初の出来事が起こってしまったのだ。 だが、それは上位3名の顔ぶれと滑りを見れば、誰もが納得するのではないかと思う。