民進代表選、前原・枝野両氏が外国特派員協会で会見(全文1)両候補の発言
枝野幸男代表候補の発言
枝野:おはようございます。民進党代表選挙に立候補した、枝野幸男です。私は、今朝ほどの北朝鮮による弾道ミサイル発射については、具体的な被害が出なかったからいいようなものと言えるような話ではない、大変な危険を伴うものであり、また、こうした挑発行為というものは、東アジアあるいは太平洋地域の安全にとっての大きな脅威であり、断固抗議するものであります。こうした挑発に対しては、日米同盟を中心として関係諸国との連携を深め、また、わが国自身が専守防衛の範囲の中で、自衛力、防衛力を高めていく中で、毅然とした対応を取っていくべきであると考えておりまして、こうしたリアルな、具体的な安全保障論については、今の自民党と、大きな差のあるものではないということを、特に外国のメディアの皆さんにまず申し上げたいと思います。 外交安全保障に限らず、政治一般にも言えると思いますが、足元で、リアルに現実を前に何をするべきかという話と、もう1つは、将来に向けて何を目指していくかと。政治は両面が大事だと思っています。この点で、日本が唯一の被爆国であるということ、あるいは第2次世界大戦に関連する、時代の過去の歴史や教訓というものを踏まえたときに、わが国は核拡散防止や平和構築という分野で、国際の社会の中で、大きな役割を果たしていくという、こうした将来に向けた方向性というものが、特にここ10年ぐらいの間、自民党の中で著しく弱まっていると。ここに対して明確な対抗軸を打ち立てていきたいと思っています。 その上で、内政問題について何点かお話ししたいと思いますが、経済社会の方向性という点については、前原さんのおっしゃったことと非常に近いんですが、若干のニュアンスの違いを申し上げたいと思います。 日本の経済が長期にわたって低迷している原因は、消費不況、消費が減っているということにあると思っています。従って、今、日本の経済の上で一番大事なことは消費を拡大させることだと思っています。消費が冷え込んでる原因は、労働法制の間違った緩和、それに伴っていわゆる中産階級が減って、低賃金で不安定な働き方のワーカーが著しく増えたということにあります。従って、安定的な雇用を取り戻す。これは制度改革に伴って時間がかかります。もう1つは、今、現に低賃金の皆さんの賃金をどう上げるかというところにあります。 実は日本には需要がありながら、低賃金であるために人手不足で供給が不足をしているという分野が多々あります。典型が、保育士と介護職員です。いずれも広い意味での公的な資金が、その人件費の財源になっています。景気対策として公的なお金を突っ込むなら、申し訳ありませんが海外からの輸入〓代金 00:25:37〓に支払われる原材料費に使うよりも、こうした低賃金の皆さんの給料に充てたほうが、よほど経済波及効果は大きいと。 こうした需要不足の公的サービスの人件費に公的資金を移していくことは、経済対策として効果的であると同時に、われわれが目指す、私の言葉では支え合いの社会に向けてもつながっていく、今、最優先でやるべき課題だと思っています。 最後に2点だけ、自民党との大きな違いを短く触れたいと思いますが、1つは、情報公開と公文書管理、報道の自由です。一部の調査では、先進国の中で最も報道の自由度が低いと言われているような状況を変えると。これは、われわれでなければできないことだと思っています。 もう1つは、少数者の人権の問題です。先進国共通して、社会が分断をされるという社会問題を抱えています。日本でも、いわゆるヘイトスピーチなど、日本に住む外国人の一部の皆さんに対する差別、そして日本人同士の間においても、ハンディキャップを持ってる皆さん、性的少数者、さまざまなところで差別、人権に対するさまざまな迫害が、残念ながらこの先進国で存在しています。こうした課題に政府として、政治が積極的に取り組むことで、多様性を認め合う社会を政治として促していくと、分断を解消させていくと。そのことにリーダーシップを発揮したいと思っています。ありがとうございました。 【連載】民進代表選、前原・枝野両氏が外国特派員協会で会見 全文2へ続く