金原正徳、朝倉海の敗因を分析!「カウンターと一発の作戦に溺れてしまった」
12月8日(日本時間)米ラスベガスで開催された『UFC310』で、元RIZINバンタム級王者・朝倉海(日本/JAPAN TOP TEAM)が、現UFC世界フライ級王者アレシャンドレ・ パントージャ(ブラジル)に2Rリアネイキドチョークで一本負けを喫した。 この試合について金原正徳が、昨日11日、自身のYouTubeチャンネルで敗因を分析。勝負をわけたポイントを挙げた。 【フォト】朝倉海、UFC王者に失神一本負けの瞬間 まず金原は「いつも言っているんですけど、負けた後に敗因を語るのは簡単なことで、後出しジャンケンになる。でも、なぜ負けたのかを自分なりにまとめてみました」と試合を振り返っていった。 金原は朝倉海が勝つパターンの1つに“前に出続ければ勝機がある”と見ていたという。これは朝倉がプレスをかけて相手を下がらせ、前へ出たところに得意の打撃を当てるというものだ。だが金原は「海は、カウンターを狙い過ぎて足が止まっていた。カウンターは紛れの要素が強い。当てれば強いけど、それに頼ってしまうとパントージャのような汚い打撃をやってくる選手にはタイミングが合わない」と指摘した。 たしかにパントージャは、鶴屋怜も話していたが、打撃が変則で、予想外のタイミングで飛んでくる。パントージャのパンチを朝倉が被弾してしまったのは、そういう要素もあったのだろう。 パントージャの打撃が読めなくなると、今度は組みの意識が低くなり、テイクダウンディフェンスに影響が出てくる。金原は「作戦に溺れてしまった印象でした。突っ込んできたときに飛びヒザ蹴り、返しのパンチを狙うとか、一発に頼り過ぎて海の手数が出なかった」と歯がゆい思いで見ていたという。さらにカウンターのヒザ蹴りのテンカオも「下がったままだと当てるのは難しい」と持ち味が半減してしまったようだ。 2R目のバックの攻防については、「立ちバックは絶対に取られると思っていました。立ち上がる時は後ろを向かないと立てないので、必ず取られてしまう。だから、立ちバックは取られるのはいいんです。でも足を入れられてしまうと、四の字ロックは逃げるのに時間がかかってしまうので、あれだけは避けたかった」とバックチョークを取られる要因になった四の字ロックまでの流れを回避できなかったことが、一本へつながったという。 また、フィニッシュへつながったポイントは、パントージャがバックから攻めてきたときの朝倉のディフェンスだといい「たすき掛けで絞めてきたときは一番逃げるチャンスだったのに、余裕をこいてしまった」と一瞬、朝倉が動きを止めて笑みを浮かべた場面を指摘。ここで朝倉が相手の腕のロックを外しにかかれば、もしかしたら時間を稼げていたのかもしれないが、パントージャは足をかけて難なくテイクダウンに成功している。 最後は、そのままバックを奪ったパントージャが得意のリアネイキッドチョークを極めて一本勝ち。金原は「左のヒザ蹴りでいいのを決めたんですけど、これが世界の差かなと思いました」と冷静に語った。 その上で金原は「でも、全然ダメだとは思わないし、海はトップ10位内には確実にいると思います」と朝倉の実力は世界トップクラスにあることを主張。UFCフライ級は、平良達郎、鶴屋怜、そして朝倉が加わったため三つ巴の展開が楽しみだと付け加えた。 さらに詳しい試合解説は、金原のYouTubeチャンネルで確認を。フライ級は、UFC組だけではなく、堀口恭司、扇久保博正、神龍誠など、錚々たる面々が揃っているため、2025年も熱い展開が待っていそうだ。