小池百合子都知事、盛り土問題の内部調査は「十分ではない」
東京都の小池百合子知事は30日、豊洲市場で盛り土が行なわれなかった問題に関する都の内部調査結果について、「十分ではない。これまで関係した方々にもっとヒアリングを重ねていかねばならない」として、実態解明に向けてさらに情報収集を進める方針を示した。 【写真】豊洲市場「盛り土なし」誰の判断か特定できず 都が内部調査結果を発表
引き続きヒアリングを進める方針
都職員がまとめた調査結果の報告書では、“いつ、どの時点で誰が盛り土をしないと決定したか”について、技術会議の議論から設計にいたるプロセスのなかで「段階的に決定した」と説明。“どの時点”かは明確ではなく、しかも、“誰が”についても明らかではない。小池知事は「それぞれの段階で責務が生じると考えている」との考えを述べた。 実際に盛り土を行わなかったにもかかわらず、都は都議会で盛り土を行なったと報告するとともに、ホームページ上で盛り土がなされているイラストを掲載してきた。都が事実とは違う説明を続けてきた点について、(1)ガバナンス・責任感の欠如、(2)以前の答弁をそのまま使用するなどの前例踏襲主義、(3)管理する側のチェック不足、(4)意思決定プロセスの不備、(5)組織間や上下間の連携不足、の5点を問題点として指摘し、「だからこそ都政大改革が必要だ」と強調した。 小池知事は、今回の報告で終わりとせず、引き続き関係者へのヒアリングを進める方針だ。職員が仕事を進める際の法令違反を内部告発する公益通報制度の導入準備を進めており、「公益通報制度も活用し、情報の収集をさらに進めたい。職員への処分は、それら情報を確認しないとできないと思っている」と述べた。 豊洲問題などをめぐってメディアの報道が活発な状況だが、「都政がメディアにこれほど注目されたことはなく、無責任体制ではやっていけない都政になった」として、注目を集める状況が都を鍛えるとの認識を示した。 (取材・文:具志堅浩二) ■全編動画