自分を追い詰めていた「思考のクセ」に気付く方法 心のメガネは何才からでもかけ替えられる
・「自分が自分のボスである」というAさんの言葉を大事にしたい。 ノートを振り返ることで、徐々に内なる声が聞こえるようになって、Mさんはとうとう自分のメガネが変わる体験をしました。 それまでMさんは、パワハラで苦しむのは、その上司のせいだと思っていました。もちろん、それ自体は間違っていません。でも、Mさんはさらに考えて、自分がその上司の下に居続けるのは、自分が次のように思っているからだと気がつきました。
・自分自身が心のどこかで「ひどい扱いを受けていい」と思っていたかもしれない。 ・上司のもとに居続けるという選択は、自分がしていた。 ・自分自身が行動のストッパーとなっていた。 Mさんの認識のメガネが変わった瞬間でした。 ここからMさんの行動は一気に加速していきます。まず、その上司のことを会社に告発しました。あとからわかったそうですが、その人は前から何度も問題視される行動を繰り返していたそうです。会社も問題を認識して、別の部署に異動になりました。
■自分の意思でかけるメガネを決める さらに、Mさんは、自分のやりたい仕事をしようと考え、もともと興味があった新興国の事業開発をやっている人たちとの関わりを増やし、自身も新事業のビジネスプランを考えてみることにしました。 実際に動いてみたら、多くの人からビジネスプランに対してポジティブなフィードバックをもらい、ノートにはこんな言葉が並んでいました。 ・Aさん、Bさんから「正解はない。いいことなのだからやればいい」と言ってもらえた。
・「あなたのしたいことは、社会から必要とされているから大丈夫」と言ってもらえた。 ・ビジネスモデルの発表。思った以上に反応悪くない。 自ら動くことで、いい反応をたくさんもらい、Mさんは「自分でもできるかもしれない!」と思えるまで自信が回復していきました。さらに積極的になって、働きながら通っていた大学院のプロジェクトに参加したり、クラスのリーダーに選ばれたりして、一気に環境が変わっていきました。 そして現在は、青年海外協力隊に合格し、新興国のビジネスプランを叶えるためのアクションを起こしています。